薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
岸本斉史さんの人気マンガが原作のアニメ「NARUTO-ナルト-」シリーズが、2002年の放送開始から20周年を迎えた。2017年に「NARUTO-ナルト- 疾風伝」の放送が終了したが、その後も「NARUTO」の主人公のうずまきナルトの息子・ボルトが活躍する「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」が放送されており、世界中のファンを魅了し続けている。アニメシリーズ開始からうずまきナルトを演じている声優の竹内順子さんに、「NARUTO-ナルト-」への思いを聞いた。
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「NARUTO」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1999~2014年に連載されたマンガ。木ノ葉隠れの里の問題児・ナルトが、里一番の忍者・火影になるため奮闘し、成長する姿が描かれた。コミックスの国内累計発行部数は1億5300万部以上。海外累計発行部数は9700万部以上。テレビアニメ「NARUTO-ナルト-」が2002年10月~2007年2月、続編「NARUTO-ナルト- 疾風伝」が2007年2月~2017年3月に放送された。ナルトの息子・ボルトが活躍する「BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS」が2017年4月からテレビ東京系で放送中。
竹内さんは、「NARUTO-ナルト-」の12歳のナルトに始まり、続く「疾風伝」では16歳、「BORUTO」では父となり30代を迎えたナルトを演じている。アニメ20周年を迎え、「20年と聞くと、『時間がたったな』と感慨深いものがありますが、改めて『20年』と言われないと、そんなイメージも浮かばないぐらい、ずっと身近な存在だなというのが率直な感想です」と心境を語る。
放送開始当初、竹内さんは「負けるもんか」という思いで収録に臨んでいたという。
「ナルトくんはとても元気なキャラクターで、叫ぶことも多いし、場を乱すことも多いし、とにかくパワフル。せりふに付く『!』が本当に多くて、なんならほとんど全部のせりふに『!』と付いていたんじゃないかというぐらいで。その当時のナルトくんは、12歳ぐらいで元気いっぱいなんですけど、演じる私はどんどん歳をとっていくから『負けてたまるか!』と、最初のうちはよく思っていました」
ナルト役の竹内さんをはじめ、うちはサスケ役の杉山紀彰さん、春野サクラ役の中村千絵さん、ナルトたちを教え導くはたけカカシ役の井上和彦さんら豪華声優陣がメインキャラクターを演じた。ナルトたちが成長を重ねていくストーリーとリンクするように、声優陣の間にも絆が生まれていったという。
「例えば、ルーキーナインと呼ばれているナルトくんと同じ同世代のキャラクターを演じるみんなは、面白いぐらいに段々仲良くなっていったんです。猪鹿蝶(山中いの、奈良シカマル、秋道チョウジ)だったら、演じているキャストも元々仲が良くて、普通にしゃべっている姿が猪鹿蝶に見えるとか、(犬塚)キバとチョウジ、(奈良)シカマルのキャスト3人が飲みに行ったりもしていて。私が一番大きく関わったのは、カカシ先生なので、和彦さんが、ナルト役の私、サスケ役の杉山くん、サクラ役の(中村)千絵ちゃんを、力を抜きながら引っ張ってくれていました。作品と連動して、私たちも先生方に成長させてもらいました。思い返すと、とても面白い経験がいっぱい詰まってる作品だったんだなと思います」
アニメ第1作の「NARUTO」では12歳のナルト、続く「疾風伝」では16歳のナルトを演じ、「BORUTO」では父になり30代を迎えたナルトを演じている竹内さん。子供から大人へ成長していくナルトを演じる上で「壁にぶつかったことはいくらでもあります」と振り返る。
「最初は、ナルトくんに『負けるもんか』だったのですが、すごい速さで成長をしていくから、『置いてかないで』というふうになっていくんです。キャラクターと自分は二人三脚で進むものとよく言うじゃないですか。でも、私の場合は、どんどんナルトくんが先に行っちゃうから『うわー、置いていかないで』というのがずっと続いていました。『疾風伝』が始まった時は、さらにババン!と(差を)あけられて、もう後ろ姿が見えなくなっちゃう!という。それでも、ナルトくんの方へ向かって一生懸命走り続けようとしているのは、今でも変わりません。私とナルトくんは、二人三脚じゃなく、並走でもなく、ずっとナルトくんが先に行っています」
「疾風伝」で16歳のナルトを演じることになった時、思い悩んだ竹内さんは、カカシ先生役の井上さんに相談したという。
「身長が高くなって変声期を迎えて、男の子ではなく男性になっているナルトくんの声帯を私がまかなうのは、もう無理があると。だけど、私が演じることを許してくれた『NARUTO』チームがあって。どうすればいいのか分からなくなって、和彦さんに『どうしよう?』と相談したんです。それで教えてくださったのが『イメージだよ』と。自分の体が小さいから(男性の声が)出ないと思ってるのは、自分の体が小さいと脳内で作り上げちゃっているから、脳内で自分の体をボンボン!と大きくしてしゃべればいいんだよと。そう言われたので、とりあえずやりました。毎回毎回、ボンボン!と脳内で体を大きくして収録に臨む。想像を膨らますことで、男性を演じるということの壁は少しずつ薄くなっていきました」
竹内さんは、自身にとってナルトは「人生で一番身近にいる男」であり、「ずっと追いかけ続ける存在」だと語る。
「身近にいるのが当たり前だと思った時に、ふっといなくなった男でもあるんです。(日向)ヒナタに取られたから(笑い)。ナルトくんとヒナタがうまくいったと聞いて、勝手に失恋したみたいな気持ちになってましたから(笑い)。こんな気持ちになるとは思っていなかったんですけど、ナルトくんのことをそれぐらい近しい存在と感じていたんでしょうね。それでも『生涯近くにいたい』と思う存在です。正直、助けられたことはありません。ナルトくんは、いつも負荷をかけてくるので。なので、自分の頑張りがまだ利くかな?というバロメーターになってくれています。本当は“相棒”でありたいんですけど、ナルトくんはすごいから、残念ながら相棒ではないです。一生懸命追いかける存在です」
ナルトを追いかけ続ける竹内さんに、改めてナルトの魅力を聞いてみた。
「計り知れないパワーですよね。物理的なパワーだけじゃなく。彼は、色で言うと、金色とオレンジじゃないですか。光り輝いていて、パワーの塊みたいなもの。一人の人間は、そんなに光り輝いてしまったら、見る人の目が疲れるので、もうちょっと輝きをダウンさせると思うんですけど、彼はあの輝きが普通で、元々のパワーがすごいんですよね。だからこそ、世界中の人が称賛するような存在なんだろうなと思います」
アニメの20周年を記念し、制作された完全新作PV「アニメ『NARUTO-ナルト-』20周年記念・完全新作PV “ROAD OF NARUTO”」が10月に公開された際も、YouTubeもコメント欄には、日本語はもちろん、さまざまな言語のコメントが並んだ。竹内さんが語るようにナルトの持つ圧倒的なパワーが、世界中のファンの心をつかみ続けているのかもしれない。
20周年を記念し、展示イベント「アニメ『NARUTO-ナルト-』20周年記念 NARUTO THE GALLERY」が、12月10日~2023年1月31日にAKIBA_SQUARE(東京都千代田区)で開催されることも話題になっている。竹内さんは「『NARUTO』のおいしいところ、全部盛りです!」とイベントの魅力を語る。
「ぜひ見てほしいのは、大迫力スクリーンです。4面のスクリーンで、(大筒木)カグヤとの戦い、クライマックスのナルトとサスケとの究極の“兄弟げんか”のシーンが見られます。映像を見ましたが、感動しました。『BORUTO』を見ている子供たちも、ボルトのお父さん世代の活躍を見て、『自分のお父さん、お母さんもすごいんだな』と改めて思ってもらえるんじゃないかと思います」
「NARUTO」から「BARUTO」へ、物語やキャラクターの魅力は、受け継がれている。竹内さんら声優陣、スタッフが手がけてきたアニメ「NARUTO」の濃密な歴史を改めて感じたい。
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