2007年にフジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送された人気テレビアニメ「モノノ怪」の舞台版「舞台『モノノ怪~化猫~』」のキャストが発表され、俳優の荒木宏文さんが主人公の薬売りを演じることが分かった。荒木さんが薬売りに扮(ふん)したビジュアルも公開された。女優の岡田夢以さんが珠生役として出演するほか、俳優の大平峻也さんと大重わたるさんがダブルキャストで坂井伊行を演じ、水原ゆきさんが加世を演じる。スタッフも発表され、ヨリコジュンさんが演出を担当し、月森葵さんが脚本を手がけることも分かった。
ウナギノボリ
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荒木さんは「この作品の色彩に心奪われ、魅入られてしまった当時のことを今でも覚えています。話は基本は静かで、だからこその緩急の振り幅に驚かされながらも、幻想的、神秘的な世界観は、個人的には瞑想(めいそう)や禅に入る前の頭の中の景色に似ていて心地良い大切な作品です。アニメ15周年のこのタイミングでの舞台化。アニメの世界観を大切に、舞台というアナログな表現だからこそ見せられる舞台ならではの幻想的表現を楽しんでいただけると幸いです」と話している。
舞台版では、アニメ「モノノ怪」シリーズ化のきっかけとなった「怪~ayakashi~」の「化猫」が描かれる。アニメシリーズを手がけた中村健治監督は、「舞台化おめでとうございます! 少し昔話になるのですが『化猫』を最初に創ろうと準備していた時のことを思い出します。作品全体のビジュアルの方向性を決めるため、本物の浮世絵に触れようと美術館を巡ったり、原宿のビジュアル系バンド御用達アパレルショップでサイケな着物を物色したり、(あの薬売りの水色はそこで見つけました)コミケでコスプレーヤーさんたちを見に行ったり、いろいろなものにインスパイアされて傾奇(かぶき)者の『薬売り』のイメージが生まれました」とコメント。
アニメの演出技法について「参考にした映画も具体的に数編あるのですが、実は舞台をひたすら見にいっていました。あの固定された空間が演出によって朝になり、過去に飛び、戦場にも、心の中にもなるのがすごく不思議でいろいろなものを見立てて観客に想像してもらうところに刺激をとても受けました。そこからアニメーションの映像言語に落とし込んだ技法が『化猫』にはたくさんあります」と説明し、「なので今回の舞台化はある意味先祖返りというか、原点回帰に近いものがあります。アニメーションの映像言語がライブでフィジカルな魅力ある舞台言語へとどう翻訳されるのか、自分自身とても今ドキドキしています! 幕開けがとても楽しみです!」と期待を寄せている。
舞台は、2023年2月4~15日に飛行船シアター(東京都台東区)で上演される。
「モノノ怪」は、2006年にノイタミナで放送された「怪~ayakashi~」の人気エピソード「化猫」のスタッフが再集結して制作されたアニメ。「化猫」に登場した薬売りの男がモノノ怪に立ち向かう怪異譚(たん)が描かれた。スタイリッシュなキャラクターデザインに、和紙のテクスチャーなどCG処理を組み合わせた斬新な映像が話題となった。
完全新作劇場版「劇場版『モノノ怪』」が制作され、2023年に公開されることも発表されている。
薬売り:荒木宏文▽珠生:岡田夢以▽坂井伊行:大平峻也、大重わたる▽加世:水原ゆき▽坂井伊國:伊藤裕一▽小田島:白又敦▽勝山:西洋亮▽笹岡:遠藤拓海▽さと:伊藤わこ▽坂井伊顕:高山猛久▽坂井水江:新原ミナミ▽弥平:中村哲人▽坂井真央:波多野比奈▽パフォーマー:川村理沙、肥田野好美、大橋美優、鈴木彩海(G-Rockets)
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