Future Kid Takara:STUDIO4℃のオリジナル劇場版アニメ 2025年公開 地球温暖化がテーマ

STUDIO4℃のオリジナル劇場版アニメ「Future Kid Takara(仮)」のビジュアル(C)Beyond C.
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STUDIO4℃のオリジナル劇場版アニメ「Future Kid Takara(仮)」のビジュアル(C)Beyond C.

 「鉄コン筋クリート」「海獣の子供」などのSTUDIO4℃が、地球温暖化をテーマにした完全オリジナル劇場版アニメ「Future Kid Takara(仮)」を制作し、2025年に公開されることが分かった。STUDIO4℃では、CO2(二酸化炭素)削減に取り組みながら制作することに挑戦するという。テレビアニメ「ベルセルク 黄金時代篇 MEMORIAL EDITION」などの佐野雄太さんが監督を務める。少年のキャラクターが描かれたビジュアルも公開された。

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 同作は、親しみやすい劇場版アニメを通して、世界各国に地球の危機、脱CO2のメッセージを伝えることを目的とし、「壮大な冒険エンターテインメント」が描かれる。ディストピアの未来を舞台に、現代の少女サラが2100年にタイムワープし、主人公のタカラと共に地球温暖化の影響で荒廃した世界を生き抜く……というストーリー。

 佐野監督は「この作品は環境問題をテーマにした“SF冒険ファンタジー”です。私たちの表現手段であるアニメーションは、その一人一人の心を動かし、世界を変える力があるのではないか? そんな思いから生まれたのがこの『Future Kid Takara』です。起こりうる未来をアニメの王道である冒険ファンタジーとして描いたオリジナルストーリー。それを、STUDIO4℃ならではの独特な世界観で表現し、最高のエンターテインメントとして多くの人に楽しんでもらいたいと思っています」と説明。

 「そして、それを見た人の感動が世界の変化のきっかけになると信じています。人々の心に響く、日本のアニメーションの力を見てください。映画『Future Kid Takara』ぜひ、応援よろしくお願いします」とコメントを寄せている。

 ◇スタッフ(敬称略)

 監督:佐野雄太▽世界観デザイン・キャラクター原案:木村真二▽企画アドバイザー:堅達京子▽科学アドバイザー:江守正多▽SF監修:高島雄哉▽アニメーションプロデューサー:長谷川舜▽アニメーション制作:STUDIO4℃▽プロデューサー:田中栄子

 ◇企画アドバイザーの堅達京子さんのコメント

 今、地球温暖化は大きな分岐点に差し掛かっています。すでに産業革命前から1.1℃上昇し、強大な台風や豪雨、世界的な山火事や干ばつなどの被害が相次ぐ気候危機に直面しています。温暖化の原因である化石燃料などから排出されるCO2を大幅に減らすことができなければ、2100年に地球の気温は2℃以上上昇し、そのことが引き金となって4℃以上も気温が上昇してしまう灼熱地球に突入してしまうリスクがあると科学者は警告します。

 これを食い止めるには、気温の上昇を人類の防衛ラインともいえる1.5℃に抑えなければなりません。しかしタイムリミットが迫っています。サッカーの試合で言えば、地球を救うゴールを決められないまま、延長戦後半か、アディショナルタイムに入っている……。私たちは今、そんな大ピンチにいるのです。ゲームオーバーにだけは、絶対にしたくない。私はマスメディアの人間として、一人でも多くの人にこのことを知ってもらい、自分自身の行動を変えてもらいたいと思っています。大きな期待をしているのが、気候変動をテーマにしたオリジナルアニメ映画「Future Kid Takara」です。アニメには、人を動かす力があると信じています。ぜひ一緒に応援しましょう!

 ◇科学アドバイザーの江守正多さんのコメント

 地球の平均気温が4℃上昇した状態を、私たちはほとんど想像できていません。カナダや北欧が氷で覆われていた2万年前の氷河期ですら、平均気温は今より6℃しか低くありませんでした。それを考えると、4℃温暖化した地球は今とは相当変わり果てた気候であるはずです。しかもその上に乗っているのが、格差と分断に満ちた脆弱(ぜいじゃく)な人間社会だとしたら。それは何世代も先の遠い未来の話ではなく、最近産まれた子供たちが生きている間にやってくるかもしれないことです。そして、私たちは今、そんな未来を避けられるかどうかの瀬戸際に立っています。

 私たちは普通に生活していると、自分自身がそんな歴史の重大局面に立たされた主人公の一人ひとりであることを、なかなか感じることができません。だから、物語の力が必要です。映画「Future Kid Takara」は、2100年の未来に思いをはせる想像力と、歴史を選択する時代に生まれ落ちたことの実感を、私たちに与えてくれる、希望の物語になるでしょう。

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