機動戦士ガンダムSEED FREEDOM:CG制作の裏側 手掛けたMSは約60体! 見送られた“幻のMS”も

「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」のスタッフトーク上映会に登場した仲寿和プロデューサー(左)と藤田進夢さん(c)創通・サンライズ
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「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」のスタッフトーク上映会に登場した仲寿和プロデューサー(左)と藤田進夢さん(c)創通・サンライズ

 人気アニメ「機動戦士ガンダムSEED」シリーズの完全新作劇場版「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」のスタッフトーク上映会が4月2日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催され、アニメを手掛けるバンダイナムコフィルムワークスの仲寿和プロデューサーと3DCG制作デスクの藤田進夢さんが登場した。「SEED FREEDOM」のMS(モビルスーツ)は、CGを中心に表現されている。モデリングしたMSは約60機にもおよぶといい、仲プロデューサーと藤田さんが制作の裏側、登場予定だったが見送られた“幻のMS”などについて明かした。

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 「SEED FREEDOM」のMSは、メカニックデザイナーの“巨匠”大河原邦男さんの設定画を基に、モデルを作り、チーフメカ作画監督の重田智さんが監修し、モデルを完成させた。重田さんと何度もすり合わせることで、理想のデザインを目指した。

 藤田さんは「重田さんだったらこう描くかな?と初回モデルを作ります。重田さんが監修し、完成モデルができます。プロポーションで1回、ディテールで1回と最低2回はやり取りをしています。重田さんとは密にやり取りをさせていただきました。ライジングフリーダムガンダムとイモータルジャスティスガンダムは、最初のすり合わせで苦戦しました。イモータルジャスティスは20回くらいやり取りをしました」と説明した。

 当初は前半に登場するMSのみのCGモデルを作る予定だったというが、制作が進む中で後半に登場するMSも手掛けることになった。

 藤田さんは「第1~5幕という言い方をしていて、アークエンジェルが沈むまでが第2幕で、ここまでの機体のモデルを作る予定でした。モデルを作るにつれて、結構できるじゃん!と信頼度が上がり、後半もCGでやることになったんです。アカツキは最初、作画の予定だったのですが、やるか!となって、“壊れ”も作りました」と明かした。

 “壊れ”とはMSが壊れた状態で、仲プロデューサーによると「昔は3Dで“壊れ”をやるのはやめようとしていたけど、今回はやってもらいました。3D先行でアプローチをしました」という。

 「SEED」シリーズのMSの特徴が話題になると、藤田さんは「福田(己津央)監督の考えですが、宇宙世紀はリアルで、コズミック・イラはキャラクターがスーツを着たような有機的な表現です。フリーダムは白馬の騎士のようなイメージで、下半身が細め。ブラックナイトスコード カルラは、ストフリ(ストライクフリーダムガンダム)と武装が似ている。カルラは、ストフリにできることは全てできて、ストフリになるはずだったフレームを使っている……と勝手に想像していました」と語った。

 登場予定だったが、見送られた機体として、デスティニーインパルス、グフイグナイテッド、M1アストレイも紹介された。

 藤田さんは「グフはモデルを途中まで作っていました。デスティニーインパルスは、デスティニーとかぶる。本土防衛がないのでM1アストレイはなくなったけど、出てきたので、作画さんに描いてもらいました」と明かすと、会場に集まったファンからざわめきが起こった。

 仲プロデューサーと藤田さんのスタッフトーク上映会の第2弾は4月9日に新宿ピカデリーで開催される。藤田さんは「ライジングフリーダムガンダムが初めて変形するシーンは、もっとスピード感があったのですが、重くしてほしいということで、全修正しました。没になったアニメーションもあり……」と話し始めたが、詳細は第2弾で明かされるという。

 「SEED」シリーズの「機動戦士ガンダムSEED」は2002年10月~2003年9月、続編「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」は2004年10月~2005年10月に放送された。「SEED FREEDOM」は「SEED DESTINY」の続編で、福田己津央監督らテレビアニメのスタッフが再集結した。劇場版は、2006年に制作が発表されたものの、その後は長らく続報が途絶えていた。発表から約18年の時を経て、1月26日に公開され、興行収入が42億2000万円を突破するなどヒットしている。

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