すがちゃん最高No.1:病床に生のカニとスポーツドリンクを投げ入れる!? 「ほぼ海賊」だった父親の衝撃エピソード(インタビュー前編)

すがちゃん最高No.1さん
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すがちゃん最高No.1さん

 お笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」のツッコミ担当・すがちゃん最高No.1さんが、中学1年生で一人暮らしをしていた自身の過去や、型破りな父親とのエピソードなどを赤裸々につづった初エッセー「中1、一人暮らし、意外とバレない」(ワニブックス)が好評を博している。自身の人生について「みんな『壮絶な』とか表現してくださいますけど、僕はそんなふうに思ったことが全然なくて。ただただ愉快だと思っているんです」と明かすすがちゃん最高No.1さんに、自らの生い立ちや亡き父への思いを聞いた。(前後編の前編)

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 ◇“逆ワンピース”で一人暮らしに

 すがちゃん最高No.1さんは1991年8月21日生まれ、山形県出身。3歳の頃に母親が病死し、東京から父親の地元・山形県へ移住。以降は、父親、伯母、祖父、祖母と5人で暮らしていた。

 しかし、そんな生活も長く続くことはなく、中学1年生で一人暮らしをすることに。その経緯について、人気マンガ「ONE PIECE(ワンピース)」を例えに出し、「『ワンピース』は仲間が増えていきますけど、僕は減っていったので“逆ワンピース”です」と説明する。

 「親父(おやじ)がめちゃくちゃ破天荒でやんちゃボーイなので、他に家庭を作ったり、女性の家を転々としたり、ほぼ家に帰ってこない。母親代わりだった伯母さんも、そんな環境がしんどいということで、東京に行くことを決めて。じいちゃんも病気で亡くなって、ばあちゃんも体を悪くして施設に行って、中1で一人暮らしが完成しました」

 中1にして突然一人暮らしをすることになったが、意外と孤独を感じなかったという。

 「寂しい夜もありましたけど、小学校ぐらいの時はめちゃくちゃ家族仲が悪かったので、毎日怒鳴りあいのけんかをしていて、そっちの方が嫌でしたね。それに、孤独なヤツ、影がある男って、やっぱりかっこいいじゃないですか(笑い)。孤独に耐えてる姿ってかっこいいじゃないですか。だから、かっこつけられるチャンスだと思っていました」と振り返った。

 ◇型破りだった父 「かっこつけていたんだなって気付いた」

 「酒、女、タバコが好きで豪快。人に気を遣わない。ほぼ海賊」だったという父親。エッセーの中でも驚くようなエピソードが続々と登場するが、本の中では描かれなかった忘れられない出来事があるという。

 「僕が体調悪くて寝込んでいた時に、たまたま親父が帰ってきて『お前体調悪いのか?』と声を掛けてきたんです。家を出て戻って来たと思ったら、僕の部屋に生のカニを1杯投げ入れてきて『これで元気出せ』って。カニとスポーツドリンク。体調悪い時のカニってただの臭い塊なんですよ。熱が出て体も動かないのにカニがあって、片付けないとって……。きっと親父流に心配してくれていたんでしょうね」

 そんな父親も2021年にがんで他界。今回、すがちゃん最高No.1さんがエッセーを書こうと思ったきっかけも、父親の存在が大きいという。

 「ある番組で親父の話をしているのを、たまたまワニブックスの方が見てくれて、1回お話してみようということになったんです。そうしたら、『ホームレス中学生』(お笑いコンビ「麒麟」の田村裕さんのベストセラー)の担当の方が来てくれて。親父のことも世に知ってほしいし、出してみようかなと思ったのがきっかけです。僕は親孝行が全然できなかったので、自分の生い立ちというよりは、親父のかっこよさを世間の人に見てもらえたらという思いで書きました」

 執筆には半年ほど費やしたといい、「軽い書き物を書いたことはあったんですけど、自分の人生を書くってちょっと照れくさいじゃないですか。だから大分てこずりました」と明かした。

 「書いてよかったのは、親父もただかっこつけていただけだったんだなって気付けたこと。豪快でめちゃくちゃなだけな人だと思っていたんですけど、ちょっと無理してるところがあったんだなと書きながら感じましたね」としみじみ語っていた。(後編に続く)

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