桃果:五輪選手を目指し、子供の頃に本気で打ち込んだ水泳 俳優としての今に「全部つながっている」

映画「マンガ家、堀マモル」に出演している桃果さん
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映画「マンガ家、堀マモル」に出演している桃果さん

 8月30日に公開された山下幸輝さん主演の映画「マンガ家、堀マモル」に出演している俳優の桃果さん。主人公のマンガ家・堀マモル(山下さん)の大切な幼なじみの佐倉春を演じ、「役者としての新しい自分が見えた気がした」と話す。また、子供の頃に本気で水泳に打ち込んだ日々の経験が「今に全部つながっていると思っている」という桃果さんに、いち俳優としての“今の思い”を語ってもらった。

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 ◇「平日は朝、泳いでから学校に行っていました」

 桃果さんは2000年8月25日生まれ、神奈川県出身の24歳。2013年~14年に小学生向けファッション誌「ニコ☆プチ」(新潮社)の専属モデルを務め、以降、俳優としてドラマや映画、CM、ミュージックビデオに多数出演してきた。

 特技に挙げる水泳は、4歳で始めて、13歳で芸能界一本で行くと決めるまで、オリンピックを目指して選手コースに入り、本気で打ち込んでいたほど。「ほぼ毎日、泳いでいて」放課後や休みの日はもちろん、「平日は朝、泳いでから学校に行っていました」と振り返る。

 NHKの番組「ヒロイン誕生!ドラマチックなオンナたち」(2022年)では、得意な水泳を生かして、日本人女性初の五輪金メダリスト・前畑秀子の人生に迫ったこともあるが、“元アスリート”としての経験は今の自分に対して「全部つながっていると思っている」とも話す。

 「身体的なこといえば、まずは体力。練習は本当にきつくても、その分、体は強くなったし、根性もついたと思います。あとは小さいころから、自分で判断することをコーチに強く言われてきたので、決断力だったり、自分からやると決めた限り、やり続ける精神力は鍛えられたりして、水泳をやっていてよかったなと思っています」

 ◇思いがけず感情が動かされることも

 そんな桃果さんがヒロイン・佐倉春を演じた映画「マンガ家、堀マモル」。描けなくなってしまった新人マンガ家・堀マモルの前に、3人の幽霊が現れたことから巻き起こるさまざまな出来事が、過去と現在、そして未来をつなぐ……という内容。

 マモルの大切な幼なじみで、かつてマンガ家になる夢をマモルと一緒に追っていた春。桃果さんは「パッと見はすごく明るくて、それこそマモルがウジウジしていると、引っ張っていってあげるというか、背中を押すというか。そういう立ち位置のしっかりした子」という印象を抱いた。

 「自分は強くいようとしていて、人には弱音を吐かないで、周りのためを思って動ける子でもあって。共感できる部分ばかりで、お芝居中もすごい春の気持ちが分かったし、私自身、そんなに人に弱さを見せられないタイプなので、物語の途中で、春がお母さんにだけポロっと本音を言ってしまうところも、信頼している人だからこそっていう意味で『分かる~』ってなりました」

 現場で心がけたのは「どんなにつらくても苦しくても、マモルには心配させたくない」という春の思いを体現すること。「共感できる部分が多かったので、自然とそうなっていった」部分はありつつ、思いがけず感情が動かされることもあった。

 「今までとは違う感情の動き方というか、思ったこともない感情が出てきて、役者としての新しい自分が発見できたような気がしました。この現場を通して、改めてお芝居って楽しい、好きだなって思えたし、クランクアップした後に監督さんと話をしていたときは涙が止まらなくなってしまって。それくらい思い出深い現場になりました」

 ◇“伝えることの大切さ”が、見た人に伝わったらいい

 改めて「“伝えることの大切さ”が、映画を見た人に伝わったらいいなと思っています」と思いを明かす桃果さん。

 「“伝える”って簡単そうに思えて、実は難しい。この映画を見て、大切な人、いま伝えるべき人に後悔のないように、『伝えたいな』と思えるような作品になってほしくて。見た人の心を温かくすることはもちろん、そこで何か気づいて『伝えてみよう』って、少しでも影響を与えることができたらうれしいです」

 自身は子供の頃から“ドラマっ子”で「作品や役者さんのお芝居に救われてきた」とも話す。

 「何か落ち込んだときにドラマを見て、気持ちを切り替えてきた自分は、作品や役者さんのお芝居って、本当に人を救えると思っていて。医療ドラマを見て、将来、医者になりたいと思う人もいるだろうし、何かしらの影響が絶対あると思っているので。私のお芝居で、落ち込んだ気持ちをポジティブに変換させたり、たとえそれが悲しいストーリーだとしても、共感して、涙を流すことですっきりしたり。お芝居で人の感情を動かすことで、何か一つでも救いになれたらいいなって。救えると思っているから、役者を続けていこうと思っています」

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