ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
集英社のマンガアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」で連載中のマンガが原作のテレビアニメ「株式会社マジルミエ」が、日本テレビ系のアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT(フラアニ)」で、10月4日から毎週金曜午後11時(初回は午後11時5分)に放送される。ファイルーズさんが、株式会社マジルミエの新人魔法少女・桜木カナ、花守ゆみりさんが、がさつな性格ながら面倒見が良く、カナに魔法少女としての心構えを説く先輩魔法少女・越谷仁美をそれぞれ演じる。
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「株式会社マジルミエ」は、岩田雪花さん原作、青木裕さん作画の“お仕事×魔法少女”アクションマンガ。怪異と呼ばれる自然災害が存在し、魔法少女が人々の憧れの職業として認知された世界を舞台に、主人公・桜木カナが、ベンチャー企業・株式会社マジルミエに新卒として入社し、社会人、魔法少女として奮闘する姿を描いている。「次にくるマンガ大賞2022」のウェブマンガ部門で3位にランクインするなど話題になっている。
ファイルーズさんが演じるカナは、地道な事前準備もいとわない努力家だが、引っ込み思案な性格が災いして就職活動中は苦戦続き。マジルミエに入社し、魔法少女としての適性を社長の重本に見出される。
「就活生というところが斬新で面白い切り口だなと思いました。私は就活、社会人経験があるので、すごく気持ちが分かります。カナを通して就活を追体験しているようでした。就活中はすごく孤独です。自分との戦いだし、不採用通知が届く度に、自分には価値がないのかな?と落ち込んでしまいます。そんな中でも、自分の価値、気づかなかった自分の良さを見出してもらい、必要としてくれる会社が存在するというのは、救いになりますし、温かい気持ちになりました。私も数え切れないくらい面接を経験しました。あの頃、自分に対しておごりがあって、この学科で最速で就活が終わる!という謎の自信があったんです。でも、なかなか決まらなくて、周りで内定をもらっている人を見る度に、どんどん焦り、ストレスもありました。だからこそ、カナの気持ちがよく分かりますし、オーディションの合格をいただいた時は、就活で苦労してきた私だからこそ表現できるものを見せたい!と気合がすごく入りました」
就活経験が生きた形となり、ファイルーズさんは「これまでの経験は何も無駄ではなかったと思っています」と語る。
「声優になりたい!と思っていましたが、家族との約束で社会人を一度経験することになりました。正直言って、社会人経験を踏み台くらいにしか最初は思っていなかったんです。すぐに養成所に行った方が早くデビューできるし、その方がいいのに……と。エントリーシートの書き方を覚えても意味ないよ!くらいの気持ちでしたが、全くそんなことなかったんです。それに改めて気づかせてくれた作品です。就活は本当に大変でした。夏にスーツを着て、遠くまで行って、タイトスカートで歩幅が狭いから時間もかかりましたし、企業説明会のクッションのない椅子に座ると、汗がついていて、恥ずかしい思いをしたり……。私の実体験に基づく説得力のある演技をしたいと思っていました」
カナの成長が作品の見どころの一つになる。
「最初は自己評価が低く、本当に素晴らしい才能を持っているのに自分で自分を認めてあげられていません。謙虚さからくるものですが、少しもったいないところがあり、伸びしろがあるからこそ、彼女がどうやって成長していくのかを見てみたいと思うはずです。才能はあるけど、それ以外は平凡な子でもあるので、見ている人が自己投影しやすいかもしれません。自分もカナみたいに気づいていない素晴らしい才能があるのかもしれないという希望を与えてくれる子だと思っています。魔法少女は、人に希望を与える存在ですし、魔法少女になるべくしてなる子なんだなと思います」
カナは可愛らしいが、力強さもある。芯の強さも魅力だ。
「私は普段、カナのようなキャラクターを演じる機会はあまりなく、可愛らしいフワフワした女の子を演じる時は、なるべく音の圧を抑えるようにしています。カナも圧を抑えようとしたのですが、逆だったんです。カナは芯が強い子だから『もっと出して』というお話がありました。越谷の戦い方は力強く、カナにとって一番近しい先輩でもあるので、少なからず力強さみたいなところは影響を受けています。越谷を見て成長しているから越谷のエッセンスも入れています。音響監督の三間(雅文)さんからの言葉にすごく学ばせていただきました。カナの声色のまま、力強さを損なわず演じることで、自分にはなかった引き出しを見せていただけました。カナはどんどん新しいことに挑戦していきますし、私もカナを通じて新しいことに挑戦させていただきました。いろいろなことを学ばせていただけた現場でした」
花守さんが演じる越谷は、面倒見が良く、カナに魔法少女としての心構えを説く。ファイルーズさんと花守さんの出演が発表された際、「キャストが逆では?」という声もあった。ファイルーズさんはさまざまなキャラクターを演じているが、力強い演技に定評がある。
「実は私も花守さんもカナと越谷の両方のオーディションを受けていたんです。キャスト発表された時、『これ、表記間違ってますよね?』と思った人も多いはずです。私も合格のご連絡をいただき、越谷かな?と思っていたら『カナです』と言われて、そっちですか!?となりましたし。私がカナだったら、越谷はベテランの方かな?と思ったら、花守さんと聞いて、またびっくりしました。花守さんは年下ですが、声優歴は私よりも長く、本当にいろいろな引き出しがある方なので、収録で、やっぱり先輩だ!こんな低い声も!と新しいものを表現されていました。だから、私も負けてられない!私だからできることを!という気持ちで臨みました」
「逆では?」と思われたことについては「それはうれしいことです」とも話す。
「それだけ自分たちのイメージが確立されてきているということですし、それだけたくさんのキャラクターや作品に出会ってきたという証でもあるので、光栄なことです。でも、新しい私たちも見てね!という気持ちです。カナみたいなキャラクターを演じる機会は少なかったですが、全くなかったわけでもないので、今まで出会ってきたキャラクターたちを思い出し、あなたたちのおかげでカナできてきているという感謝の気持ちもあります」
株式会社マジルミエの社長の重本浩司役の小山力也さん、同社の魔法エンジニアの二子山和央役の山下大輝さん、営業の翠川役の逢坂良太さんら個性豊かなキャラクターを豪華キャストが演じる。
「アフレコ中は自分のことで精いっぱいなところもあったのですが、実力派、ベテランの皆さんばかりだったので、すごく安心感がありました。私は座長とはいえ、一番経歴が浅く、皆さんが私の芝居の温度感を合わせてくれ、引っ張ってくれたので、みんなで作品を作っていました。周りが全員先輩ですし、私もカナと全く同じ立場になって、作品の世界に没入できました。ストイックな現場でもありました。音響監督の三間さんが『商品じゃなくて作品を作る』というモットーを掲げ、何度もテイクを重ねて、最善のものを引き出していただきました。息づかい一つ一つに全て理由があり、キャラクターの気持ちに寄り添い、キャラクターの立っている場所、温度をしっかり研究して臨む。そういう現場だったので、一人一人が台本、キャラクターに向き合っていました」
魔法少女に憧れる子供も多い。ファイルーズさんは子供の頃は……。
「妖怪や魔物が好きだったので、魔法少女に変身するのではなく、妖怪や魔物と一緒に戦ったり、体の一部が魔物になるようなキャラクターに憧れていました。フリフリのドレスというよりは、学ランみたいなものを着て(笑)。ガーリーなものよりは、ユニセックスなものに惹かれていました。忍者になりたかった時期もありましたし。男性も女性も平等に活躍する作品が好きでした。大人になってから魔法少女ものに触れる機会が増えて、こういう魅力もあるんだ!と新しい発見をしています」
ファイルーズさんはファッションにも造詣が深い。魔法少女になったカナのファッションをどのように見たのだろうか?
「意外とシンプルですよね。魔法少女はフリルが多いイメージもありますが、ないんです。頭にリボンはありますが、首に巻いているのはスカーフタイです。ほかの魔法少女ものと一味違います。社長はフリフリですが(笑)。実際に働く子たちは動きやすさが重視されているのかもしれません。機能美、魔法少女らしさ、それぞれの会社の色もあって、シンプルだけどすごく計算されているデザインだと思います。いろいろな魔法少女が出てきて、それぞれの個性が出ているので、楽しみにしてください!」
「株式会社マジルミエ」は、魔法少女が現実の職業として存在する世界が舞台となる。そんな世界ならではの設定もある。
「魔法少女が戦って、それで終わりではなくて、戦った後で現状修復する人、そこに住んでいる地域の人のことまで考えて行動しています。自分だけが仕事をするのではなく、仕事は必ずチームで行うものと教えてくれます。私もチームプレーが得意ではないのですが、カナを見て、やっぱり仕事はチームなんだと改めて学ばせてもらいました。それに、思っていた以上に怪異が怖いです。魔法少女が職業として成り立っている世界は、生半可なものではなく、彼女たちは常に命を懸けて戦っています。怪異のまがまがしさを見て改めて感じました。ただ、子供が見ても安心な内容ですし、日曜朝に放送してもおかしくないくらいだと思います。子供にも見てほしいですね」
アニメの放送に向けて、ファイルーズさんは「カナの成長が大きな見どころですし、私もアフレコで学ばせていただき、リアルな温度感でカナと一緒に成長できたと思います。魔法少女と言えば、変身バンクですし、そこもスタッフの皆様が本当にこだわりと愛を込めて作っているので、ぜひ楽しみにしてください!」と語る。さらに成長したファイルーズさんの熱い演技に期待が高まる。
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