細田守監督:4年ぶり新作「果てしなきスカーレット」 モチーフは「誰もが知っている古典」 主人公は困難な冒険に挑む王女 新たな挑戦も

劇場版最新作「果てしなきスカーレット」の制作を発表した細田守監督
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劇場版最新作「果てしなきスカーレット」の制作を発表した細田守監督

 劇場版アニメ「時をかける少女」「サマーウォーズ」「竜とそばかすの姫」などで知られる細田守監督の約4年ぶりとなる新作劇場版アニメ「果てしなきスカーレット」が制作され、2025年冬に公開されることが12月23日、明らかになった。同日、TOHOシネマズ 日比谷(東京都千代田区)で製作報告会が行われ、細田監督、スタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサーが新作について語った。

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 新作は、細田監督が脚本・原作を手掛け、とある国の王女が厳しい世界を旅する、時空を超えた作品になるという。主人公となる王女・スカーレットが描かれたティザービジュアルが公開された。

 細田監督はビジュアルについて、「これまでの作品と毛色が違うと感じられるかもしれませんが、(ビジュアルの)右側に赤い海のような現実でない世界があり、厳しい世界から希望の光を見ているような女性が描かれています。この女性がタイトルにあるスカーレットです。肌も汚れて、ボロボロで、マントを背負い、剣を腰に携えている。彼女がこの作品の主人公で、強いまなざしで、混沌(こんとん)の世界から果てしない遠くを見ている絵になっています」と説明した。

 主人公は「厳しい世界を旅する、とある国の王女」だといい、彼女が「困難な、ハードな、生やさしくはない条件で冒険をしていく。そのため、きりっとして背筋の伸びた主人公像、女性像である必要がある」と主人公像について語った。新作は、新たな表現にチャレンジしていると話し、「このビジュアルは、イメージボードではなく、この絵がそのまま動くことを前提に頑張っています。アニメの見方、リテラシーが浸透していく中で、業界では、いろいろな新しい表現が行われています。『果てしなきスカーレット』もルック、表現を新しく作っていきたいと思っている」と語った。

 ストーリーについては、「まだ言えないことが多い」とした上で、「これまでの作品の中でも、最も大きなテーマに挑む。生と死にも踏み込んでいくような大きなテーマになる。あらゆる人に共通する普遍的な、誰しもが持っている気持ちを映画の中で表現したい」と明かした。また、前作の「竜とそばかすの姫」が「美女と野獣」をモチーフとしたように、新作もある古典をモチーフとするといい、「誰もが知っている古典です」と語った。

 新作は、新たな試みとして、東宝、ソニー・ピクチャーズによる全世界配給となる。東宝が日本、ソニー・ピクチャーズが日本以外の世界の国と地域の配給を担う。齋藤プロデューサーは、新作について「世界的なスケートと現代性を併せ持った作品」とし、細田監督から企画を提案され、「世界中で社会現象が巻き起こるのではないかというのが第一印象だった」と語った。「この作品を全世界へ届けるべく、日本映画がまだやっていない、日本と世界が手を取り合う新しい仕組みの必要性」を感じ、さまざまな調整の末、全世界配給が実現することになったという。

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