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グローバル不動産総合サービス会社のクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(グローバル本社:米国イリノイ州シカゴ、日本本社:千代田区永田町、C&W)は、アジアパシフィック地域の2025年のオフィス動向を調査したレポート「ASIA PACIFIC OUTLOOK 2025」を発表しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412232158-O1-PS7vUQUg】
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主要メッセージ
経済成長:
・地域レベルの経済成長は安定しており、2025年は約3.7%と予想され、
これらは新興市場の成長の正常化と先進国の加速によって支えられる見込み
オフィス市場:
・予測期間中の年間オフィス需要は75百万平方フィート(6.9百万平米)と堅調に。
しかし、2025-2027年の新規供給は100百万平方フィート(9.3百万平米)を超え、地域全体の空室率は20%近くまで上昇する見込み
・オフィス賃料の伸びは抑制されており、年平均約2%にとどまるが、市場間で大きな差がある
・地域の60%(15市場)で賃料上昇が予想される
投資市場:
・投資市場は底打ちしており2025年まで取引量の増加が見込まれる。
不動産価値は全体としては安定するが、個別物件のトレンドは市場平均と異なる可能性がある
需要
アジア太平洋地域全体における新規供給量は2024年の新規供給は約8500万平方フィート(msf)(7.9百万平米)と予想され、前回の予測の1億1,000万平方フィート(10.2百万平米)から減少した。
この多くは中国本土の一級都市(Tier 1 都市)で減少しており、当初3,800万平方フィート(3.53百万平米)と予測されていた新規供給量は、現在では約半分の1,800万平方フィート(167万平米)に減少する見込みである。同様にインドでも、2024年の新規供給量は1300万平方フィート(1.21百万平米)から4800万平方フィート(4.46百万平米)に減少した。2024年に予定されていた新規供給の一部は、2025年にずれ込むことになる。
地域別に見ると、来年は121万平方フィート(11.2万平米)の新規供給が計画され、さらに2026年と2027年には110万平方フィート(10.2万平米)の新規供給が予定されている。 これらを累積すると、2027年には域内ストックは11%増の23億平方フィート(2億1,368万平米)を超え、2016年以降の地域合計はほぼ倍増することになる。この新規供給の多くは、域内最大市場である上海とベンガルールに供給されることになるが、東京、深セン、広州、香港、チェンナイでも今後1年間に著しい増加が見込まれている。
一方で、建替コスト上昇が新規供給のペースと量に影響を与えている。特に東京では建替コストが2019年以降30%以上も急上昇しており、同期間の賃料上昇がほぼ横ばいであったことと対照的である。
発展途上市場では、特にハノイとホーチミンシティにおいて、既存のストックと比較して供給計画が非常に多くなっている。一方、オーストラリアでは、特にブリスベンとパースにおいて、2028年まで新規供給が全く見込まれていないなど、供給計画はかなり控えめな見通しとなっている。
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供給
アジア太平洋地域では活発なオフィス・スペース需要が続いている。2024年には、地域全体で72万平方フィート(6.7万平米)の需要が予想されており、2023年の65,000万平方フィート(6.04百万平米)から増加している。中期的にも安定した需要が見込まれ、2025年から2029年の予測期間における年間需要は平均75万平方フィート(6.97万平米)になると見込まれている。
インドは引き続き、域内オフィス市場の主な牽引役であり、国内企業の拡大、フレキシブルオフィススペース事業の成長、急成長するグローバルケーパビリティセンター市場に支えられ、域内需要の半分以上を占めている。その結果、テクノロジー関連企業が集中するベンガルールとハイデラバードが、域内オフィス需要を牽引している。2025年の需要予測はそれぞれ12.4万平方フィート(1.15百万平米)8.1万平方フィート(75万平米)で、予測期間全体ではそれぞれ60平方フィート(5.57百万平米)、42万平方フィート(3.90百万平米)となっている。
一方で、他の地域の需要動向はばらつきがある。ソウルでは過去数年間の堅調な需要から、今後数年間はより落ち着いた動きとなり、過去4年間の年間平均275万平方フィート(25.5万平米)と比較して、年間約85万平方フィート(7.9万平米)になると予想されている。
同様に、ブリスベンでは、募集面積の不足により需要が減速すると見られている。オーストラリアのその他の地域、特にシドニーとメルボルンの需要が回復するまでに24ヶ月間程度かかるであろう。
中国本土の一級都市は、予測期間中に新たな前提を反映して落ちついていくと予測されている。2016年から20年にかけて経験した需要過多に比べ、過去数年の一段低い需要トレンドに沿ったものとなっている。これらを総合すると、年間需要は約1500万平方フィート(1.39百万平米)となる。
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空室率
需要と供給のバランスを分析すると、地域全体の空室率は2016年の11%から約20%まで上昇し、地域全体で450万㎡を超える空室面積に達するとみられる。
ただし、空室の質と量を区別いて考えることが重要である。全体的な空室率は上昇しているものの、地域や細分化された市場レベルでは傾向は大きく異なる。特にインド、東南アジア、中国など急速に拡大している都市において顕著である。これらの都市では、空室率は平均で約20%ですが、10%から31%の範囲で変動している。しかし、細分化すると、ムンバイのBKCやベンガルール(バンガロール)のアウターリングロードなど需要の高い地域では、空室率はかなり低いことが明らかになっている。ここで言えることは、テナントは各市場の状況を慎重に細かく検討する必要がある。
これは、より成熟した市場でも同様である。シドニーでは、テナントが市街地中心部へ移転する傾向が明らかになっており、大規模なスペースを必要とするテナントは、まとまった床面積を見つけるのが困難な状況となっている。
一方で、シンガポール、東京、ソウルは引き続き最も需給が逼迫した市場と予想されている。これら3都市の空室率は予測期間を通して5.5%未満で、特に東京はほとんどのサブマーケットで3%以下を記録すると予想されている。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202412232158-O4-0Isfha4M】
賃料
これらの要因を総合すると、短期的な賃料上昇圧力は全体としてはそれほど強くないことが示唆される。地域全体の加重平均の賃料上昇率は、2026年までは2%を下回る水準で推移し、その後緩やかに上昇するものの、2027年から2029年までは2.5%を下回る水準にとどまる見通しである。
地域別に見ると、見通しはより複雑だ。過去数年間で最も高い賃料上昇率を示したのはブリスベンとインドのハイデラバードとムンバイであった。これらの都市は今後12か月間もトップを維持し、5%前後の成長が見込まれるものの、成長ペースは2026年以降には鈍化すると予想されている。一方、ジャカルタ、メルボルン、シンガポール、シドニーでは、空室率の低下に伴い賃料上昇の圧力が強まり、ホーチミンと東京でも、来年にかけて堅調な賃料上昇が予想されている。
中国本土、クアラルンプール、香港では、需要の低迷や新規供給の増加を反映して、当面は賃料上昇の圧力が限定的になる見通しである。これは需要の弱さや新規供給の豊富さが背景にある。広州と深センでは今年度7-8%の賃料下落が予想されているが、2026年以降は下落幅が緩和される。
ただし、需要の高いエリアでは引き続き都市平均を上回るパフォーマンスを維持するであろう。つまり、賃料上昇見通しの強い都市では成長の上振れが期待できるほか、市況の弱い都市でも賃料下落を避けられる可能性がある。
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その他物流不動産、投資市場の見通しについてはWEBサイトよりご覧ください。
‐以上
クッシュマン&ウェイクフィールドについて
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はニューヨーク取引証券所に上場している世界有数の事業用不動産サービス会社です。世界約60カ国、400拠点に約52,000人の従業員を擁しています。施設管理、売買仲介、鑑定評価、テナントレップ、リーシング、プロジェクト・マネジメントなどのコア・サービス全体で、2023年の売上高は95億ドルを記録しました。受賞歴のある企業文化や、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)、サステナビリティに対するコミットメントにより、業界内外から高い評価を頂いております。 詳しくは、公式ホームページ https://www.cushmanwakefield.com/ja-jp/japan にアクセス下さい。
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