話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、実写映画化、アニメ化もされた「ハチミツとクローバー」で知られる羽海野チカさんの将棋マンガ「3月のライオン」(白泉社)です。「ヤングアニマル」編集部の友田亮さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
−−この作品の魅力は?
孤独に耐え、将棋という勝負の世界に生きる17歳の少年「桐山零」。ふとしたきっかけで知り合った川本家の「あかり」「ひなた」「モモ」の三姉妹、彼女たちとのふれあいの中で、徐々に桐山の凍てついた心は溶かされていきます。登場人物のすべてが失われた大事なものを、少しずつ取り戻していく、優しい物語です。
一方、将棋の世界は監修に先崎学八段を迎え、プロ棋士の世界も非常に綿密に取材し、将棋の高段者の方が読んでも納得でき、もちろん初心者や将棋のルールを知らない方が読んでも分かりやすく、面白く描かれています。羽海野チカ先生が渾身(こんしん)の力を込めて描く「3月のライオン」ぜひ、一読してください。
−−作品が生まれたきっかけは?
羽海野先生には「勝負の世界」を描いてほしいと、僕(担当)が思っていたことが大きいと思います。あと、僕自身が将棋を好きで学生時代からよくやっていました。将棋の魅力について打ち合わせで羽海野先生に語ったところ、大変興味を持っていただいたことも大きなきっかけだと思います。
−−作品を作る上でうれしいこと、逆に大変なことは?
うれしいことは、僕が世界で一番はじめに「3月のライオン」のお話が読めることです。まだ誰も知らないこの素晴らしい物語を、世界で一番はじめに読めるということだけで、他のもろもろの大変なことはみんな忘れます(笑)。
(大変なことは)テクニカルな問題ですが、物語の流れと将棋の棋譜を整合させるには、かなり苦労します。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
これからの物語は、いろいろなことが明らかになりながら進んでいきます。厳しい展開も、楽しい展開もあると思います。温かく見守っていただければ幸いです。
白泉社 ヤングアニマル編集部 友田 亮
3月のライオン 羽海野チカ 1~4巻 ヤングアニマル(毎週第2・4金曜日発売)で連載中
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