講談社:京極夏彦さんの新刊「死ねばいいのに」をiPadで発売 「実験台を買って出た」と

iPad版の新刊「死ねばいいのに」と京極夏彦さん
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iPad版の新刊「死ねばいいのに」と京極夏彦さん

 講談社は20日、直木賞作家・京極夏彦さんの小説「死ねばいいのに」を、28日に日本で発売されるアップルの新型携帯端末「iPad」で発売することを明らかにした。

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 「死ねばいいのに」は、「死んだ女のことを教えてくれないか」という無礼な男が現れ、私に尋ねてくる。男の問いかけられた言葉を考えるうちに、さまざまなうそや真実が浮かび上がるというミステリーで、15日に発売された。小説版は1700円だが、iPad版では700円(発売2週間内、以後は900円)で、iPadが発売される28日から6月上旬に発売する予定。6章立てで冒頭の1章は無料で試読できる。

 京極さんは94年、「姑獲鳥の夏」でデビュー。「魍魎の匣」(96年)で日本推理作家協会賞長編部門、「覘き小平次」(03年)で山本周五郎賞を受賞。04年に「後巷説百物語」で直木賞を受賞している。

 会見に登場した京極さんは「いい機会と思って実験台を買って出た。その1号が『死ねばいいのに』と扇情的なタイトルですが……」と笑わせたあと、「紙の本がなくなるというのは、現実的には考えられない。(電子書籍と紙の書籍は)食い合うものでない」と強調。講談社の野間省伸副社長は「実験的な意味合いをこめながら、読者に体感していただくチャンスにできれば」と話している。(毎日新聞デジタル)

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