三浦大輔:田中圭主演で衝撃舞台「裏切りの街」 WOWOWで7月16日放送決定

舞台「裏切りの街」の一場面。撮影:谷古宇正彦
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舞台「裏切りの街」の一場面。撮影:谷古宇正彦

 映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の初監督が記憶に新しい三浦大輔さんの舞台「裏切りの街」がパルコ劇場(東京都渋谷区)で5月7~30日に公演された。過激でリアルな性描写が話題となった同舞台が7月16日、WOWOWで放送される。

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 「裏切りの街」は三浦さんの同劇場でのデビュー作で、若手実力派俳優の田中圭さんや、日本を代表する演出家の舞台を数多く経験する女優の秋山菜津子さん、外部公演への出演は06年の「労働者M」以来という「大人計画」の松尾スズキさんといった演劇界注目のキャストが勢ぞろいした。音楽は「ボーイズ・オン・ザ・ラン」で主役を演じた峯田和伸さん率いるロックバンド「銀杏BOYZ」が手がけた。テレクラで知り合った女性と浮気を繰り返す無気力なフリーター・菅原裕一(田中さん)と、妥協で結婚したため刺激を求める主婦・橋本智子(秋山さん)を軸に、流されながら生きる人々の関係性を描く現代劇だ。

 劇団ユニット「ポツドール」主宰の三浦さんは、何気ない会話と緻密(ちみつ)な構成で登場人物の人間関係をドキュメンタリーのように描くことで知られ、パーティに集う男女をリアルな会話で描いた作品「愛の渦」で06年に岸田國士戯曲賞を受賞している。

 ほぼ全裸で演技した過激なシーンはもちろん、若者と主婦のたわいもないテレビの話題、夫婦間のやりとりなどが、こっけいと思えるほどのリアルさで繰り広げられるのも見どころだ。舞台セットは、主役2人の自宅が横に並び、それぞれのセットが回転して見せる角度を変えることで、場面移動も表現している。フリーターと主婦のメールのやりとりは同時に上部のスクリーンに表示され、同時刻の2人の自宅での様子なども1ステージ上で見られるという舞台ならではの演出で、他人の私生活をのぞいているような感覚に陥る。

 映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」にも出演したリリー・フランキーさんは、三浦さんとの対談で「三浦君みたいなうまく立ち回れない不器用さっていうか、何かこじらせてる感じの人は好きですよ(笑い)。そういう人がいないと物語にならない」とコメント。その上で同舞台で描かれるリアルさについて「結局、人間の沈殿してる部分をどう描くかっていう時に、やっぱり血に流れてないものは作れないよね」と解説しており、「いい人っていうより、いとおしい人なんでしょうね。きっと。前向きに逃げてる人」と主役たちの魅力を語った。

 同舞台の宣伝番組に出演する蒼井そらさんは、三浦さんの映画「ボーイズ・オン・ザ・ラン」でも番組宣伝をしたが「実は三浦監督の作品と知らずに観劇しました」と告白。「先入観なく『素晴らしい舞台だな』と思って感動したので、後から演出家が三浦さんだと知り、本当に三浦さんの作品が好きなんだな、と実感しました」と語っている。印象に残ったシーンは「あえて挙げるなら出だしですね。いきなり聞いていて恥ずかしくなるような女性の声で始まって」と話し「でも驚いたと同時に『きっとこの舞台は面白いに違いない』と直感的に思いました」と太鼓判を押した。そして「出だしも衝撃的ですが、さらに間が心地いい作品だなと思いました。途中では『ここまで舞台上でやっていいの?』と驚かされつつも、最後に考えさせられるいい作品だな、と思いました」と見どころを語った。

 「裏切りの街」は7月16日の深夜0時05分にWOWOWで放送される。(毎日新聞デジタル)

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