豊田利晃監督の4年ぶりの映画「蘇りの血」が4日にDVDで発売された。歌舞伎や浄瑠璃の演目としても知られる説話「小栗判官」をモチーフに、力強く美しい寓話(ぐうわ)の世界を構築した。主人公・オグリを演じるのは、元「ブランキー・ジェット・シティ」のドラマー・中村達也。実話や原作が基になった日本映画は多いが、それらとは一線を画し、豊田監督が日本の説話を取り上げながらも、オリジナリティーの高い作品を生み出した。
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人間が世界を支配する前の時代。天才マッサージ師のオグリ(中村さん)は、闇の世界の大王(渋川清彦さん)の病気を癒やすために要塞(ようさい)に招かれた。大王にここにとどまるよう請われるが、オグリは毅然(きぜん)と断る。オグリの態度に腹を立てた大王は、彼を殺してしまう。オグリはあの世の入り口まで行くが、「やり残したことがある」と言って、その先に行きたがらない。オグリに思いを寄せる大王の侍女テルテ(草刈麻有さん)は、彼をよみがえらせようと、地の果てにある「蘇生の湯」を目指す。主演の中村さんは音楽も担当し、劇中で心臓の鼓動のようなパンキッシュなドラム音が鳴り響く。
オグリの生命力と、テルテの愛の力。映像と音楽一体となって、ドキドキ感を伝えてくる。下北半島(青森県むつ市)で撮影したという日本の原風景も美しい。伊賀大介さんが担当した衣装も秀逸だ。だが、音楽が最も際立っている。日本の風景の静けさに潜む、これから出る芽のような生命のうごめきを感じさせる。先ごろ吉祥寺バウスシアター(東京都武蔵野市)で開催された第3回爆音映画祭(5月28日~6月12日)でリクエスト1位に輝き、上映されたほどだ。中村さん(ドラム)、照井利幸さん(ベース)、勝井祐二さん(バイオリン)と豊田監督が映像を担当したユニット「TWIN TAIL」の音楽は確かに爆音で聴きたい。既に発売されているサウンドトラックも手に入れたくなった。劇場で見ることのできなかったことを悔やむくらいの作品だ。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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