ゲゲゲの女房:「この2人しかいない」吹石一恵&クドカンが水木しげる夫妻に 映画版プレミア

映画「ゲゲゲの女房」の完成報告会見に登場した吹石一恵さん(左)と宮藤官九郎さん
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映画「ゲゲゲの女房」の完成報告会見に登場した吹石一恵さん(左)と宮藤官九郎さん

 「ゲゲゲの鬼太郎」で知られるマンガ家・水木しげるさんの妻・武良布枝(むら・ぬのえ)さんの自伝小説を原案にした映画「ゲゲゲの女房」(鈴木卓爾監督)のプレミア上映が21日、東京・京橋の「東京国立近代美術館フィルムセンター」で行われ、水木しげる夫妻を演じた吹石一恵さん、“クドカン”こと宮藤官九郎さんらが舞台あいさつを行った。

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 映画「ゲゲゲの女房」は、吹石さん演じるヒロイン・飯田布美枝が、宮藤さん演じる水木しげるというペンネームの無名のマンガ家・村井茂と出会って結婚し、底なしの貧乏生活の中、命懸けでマンガに打ち込む夫を支えながら生きる姿を描く。松下奈緒さん主演でNHK朝の連続テレビ小説でドラマも放送され、原作も発行部数が40万部を突破している。ほかに、坂井真紀さん、村上淳さん、柄本佑さん、南果歩さんらも出演しており、水木作品のように日常に潜む妖怪を愉快に登場させたり、「墓場鬼太郎」や「悪魔くん」などの原画がアニメーションになる演出もあるという。

 鈴木監督は「水木しげるさんと布枝さんは、この2人しかいない」と起用理由を説明。水木夫妻は見合い後5日で結婚したことから、吹石さんは「撮影前に必要以上に宮藤さんと会わないようにしました。初めて会った感じをフィルムに出したかった」と告白すると、宮藤さんは「結構会ってたつもりでいたんですけど、聞いてない」と苦笑。さらに、「試写の後、布枝さんが目をウルウルさせながら私の手を握ってくださって、『ありがとうございました。いろいろと思い出しました』と言っていただきました」と明かす吹石さんに、宮藤さんは「それも僕は聞いてないです」とまたも苦笑いだった。

 宮藤さんも役作りのため水木さん本人と会ったといい、「もう88歳なのにすごく達者で、『映画っていうのはもうからないだろう?』ってなぜか何回も言ってましたね。何でお金のことをそんなに言うのか不思議でしたけど、それもちょっと参考にさせていただきました。お金に厳しいってところを……」と笑わせた。また、「実在する方を演じるのはまずないので、水木さんとお会いして、ぼくがやるしげるさんが、何年もたってこうなるんだな、と思ってやりました。娘さんからも『父は肩の力が入ってない人ですから』と言われて、すごく楽になりました」と振り返っていた。

 この日の舞台あいさつは、同会場で開催中の「ぴあフィルムフェスティバル」の一環。映画「ゲゲゲの女房」は11月、ヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区)、新宿武蔵野館(東京都新宿区)など全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)

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