アヤカ・ウィルソン:環境保護への取り組み「夏休みの課題に」 劇場版アニメ「みつばちハッチ」でアミィ役

劇場版アニメ「みつばちハッチ」で少女・アミィの声を務めるアヤカ・ウィルソンさん
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劇場版アニメ「みつばちハッチ」で少女・アミィの声を務めるアヤカ・ウィルソンさん

 70年からフジテレビ系で放送されたアニメシリーズ「みなしごハッチ」をリニューアルした劇場版アニメ「みつばちハッチ」(アミノテツロ監督)が31日から公開される。映画「おくりびと」の脚本を担当した小山薫堂さんが総合プロデュースと脚本を担当した。スズメバチに襲われ、生き別れになった母親を捜すミツバチの子ハッチが、旅の途中で迷い込んだ人間の街で、虫と会話ができる少女アミィと出会う。ハッチは楽しい時間を過ごすが、スズメバチの一群が襲来し、さらわれた仲間を助けに立ち上がる……という物語。アミィの声を担当したアヤカ・ウィルソンさん(12)に話を聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 アヤカさんが演じるアミィは、虫たちの世界を描いた作品の中で唯一の人間の女の子。アヤカさんとの共通点を聞くと「アミィは初めはすごく内気なんですけど、ハッチと出会って心がどんどん開いていきます。実は心のドアを開くと、すごく勇気を持っている女の子なんです。内気な部分は私と違うかなと思うんですが、自分からなにか物事をやろうって思う気持ちは似ていると思います」とアミィのキャラクターについて説明する。

 アニメの声優は何度か経験しているアヤカさんだが「声優は体ではなく声だけでの表現なので、感情をはっきり出さないと見ている相手に伝わらないのが大変です」と苦労を明かし、「今回は映画の中で唯一、人間の役で、虫としゃべれる女の子なんです。私は虫としゃべれないので、虫としゃべるってどういう気持ちなんだろうとか、虫ってどんな気持ちなのかなって考えることに苦労しました。最後に内気だったアミィが心を開いて、自分からハッチをスズメバチから助けに行く場面、洋服を脱いで、川に飛び込んだところはもうすごく感動しました。演じていてとてもドキドキしました」と入念に役作りをして臨んだ収録を振り返った。

 「みつばちハッチ」は「虫と人間の共生」「自然環境の保護」をテーマにしている。アヤカさんは「学校で、地球温暖化についての対策をみんなで練ってみましょうという授業がありました。私みたいな子供がお金をたくさん出して、生き物を生き返らせたりするっていうのは絶対できませんが、だから無視するんじゃなくて、生活の中でできる小さなことだけでもみんながやればすごく大きなことになると思うので、私はペットボトルのキャップ回収だったり、ごみの分別などを、必ずっていうくらいがんばってます」と自身の取り組みについて話し、「小さなことでも必ずできるか?ってたずねられると、やはりすごく難しく感じることなのでこの夏休みも、そのことを忘れずに課題にしていきたいです」と環境保護に大いに関心を寄せている様子。

 虫が苦手な子供も多い中、アヤカさんは「小さいころからアリはどこに行くのかなってのぞき込んだり、すごく興味を持っていました」と話し、夏休みには「環境のことだったり、生き物とか植物についてもっと知りたいので調べてみたい」という。映画のアフレコを担当したことで、アヤカさん自身もミツバチの生態に興味を持ち、「ミツバチの働き蜂は全部メスだっていうことを知ってまず驚いたことと、ミツバチは大きい敵に出合ったときに、ほかのものがやられないように、一番勇気のあるものが相手を刺すんです。スズメバチは何度刺してもずっと生きてるんですけど、敵を刺したミツバチはもう二度と仲間に戻れないんです。よほどひどいことをしなければミツバチはすごく花粉を運んだり、私たちの地球に必要な植物だったりを、多く元気にさせてくれるものなので、大切にしなきゃなって思ったりしましたね」と使命感あふれる口調で語った。

 <プロフィル>

 1997年、カナダ出身。カナダ人の父と日本人の母を持つ。3歳からモデルとしてCMや広告、雑誌で活動。08年9月公開の映画「パコと魔法の絵本」でヒロイン役に抜てきされ女優デビュー。劇場版アニメ「ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史」(09年)で声優、映画「矢島美容室 THE MOVIE ~夢をつかまネバダ~」(10年)出演など多方面で活躍している。

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