子供たちに配慮したデザインの商品・企画を顕彰する第4回「キッズデザイン賞」が3日、発表された。最優秀賞に、JR東日本の子育て支援プロジェクト「駅型保育園」や、倒れてもこぼれないシリコン製ペットボトル用キャップ「Kissシリーズ」（アイ・シー・アイデザイン研究所）など6点が選ばれた。

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　キッズデザイン賞は、子供たちの安全と安心に貢献するデザイン、子供たちの創造性と未来を拓くデザイン、子供たちを生み育てやすいデザインを顕彰し、キッズマークを付与するために、NPO法人「キッズデザイン協議会」（会長、和田勇・積水ハウス会長）が選定。4回目の今回は過去最高の335点の応募があり、185点が受賞した。

　最優秀賞の経済産業大臣賞には、一人飲みを始めた子供向きと評価された「Kissシリーズ」（ユニバーサルセーフティ部門）のほか、日本人の子供の頭サイズをリサーチし、年齢・体格別の頭にフィットさせるためにサイズゲージを用意した自転車用ヘルメット「チャイルドメットシリーズ」（オージケーカブト）がキッズセーフティ部門を受賞。大阪府産業デザインセンターなど6法人が子供目線でのデザインの発想を学ぶ子供参加型のワークショップやプログラム「プレイフル・デザイン・スタジオ」がフューチャーアクション部門を、子供理科離れが進む中、手軽にミクロの世界がのぞける小型軽量の電子顕微鏡「卓上電子顕微鏡」（日立ハイテクノロジーズ）がフューチャープロダクツ部門に選ばれた。

　最優秀賞の少子化対策担当大臣賞では、JR東日本が鉄道会社だからできる子育て支援として、駅から約5分以内に保育園を開設、利便性だけでなく、延長保育や一時保育に対応した「駅型保育園」がソーシャルキッズサポート部門を受賞。TOTOが公共施設や商業施設向けに安全性や衛生面に配慮して開発したベビーシート、ベビーチェア、フィッティングボードの3点「お子様連れ配慮商品」がソーシャルキッズプロダクツ部門に選ばれた。

　同協議会の小野裕嗣専務理事は「世界には、多くのデザイン賞があるが、子供の視点に立ち、安全性や成長に役立つことを考えたものはない」と話している。また審査委員長を務めた赤池学・ユニバーサルデザイン総合研究所長は「今回は出展商品・企画のレベルも高く、環境をテーマにしたものが多い」と分析している。

　優秀賞などの受賞作は以下の通り。

◇優秀賞

　キッズセーフティ部門＝JQ遊具安全管理システム（ジャクエツ）、地域安全マップづくり教室（明治安田生命保険）▽ユニバーサルセーフティ部門＝AM01　エアマルチプライアー（ダイソン）、子供に対するライターの安全対策（東京都生活文化局）▽フューチャーアクション部門＝あんぜんパワーアップセミナー（うさぎママのパトロール教室など）、スポニチジュニア（スポーツニッポン新聞社）▽フューチャープロダクツ部門＝西武学園文庫幼稚園建替えプロジェクト（鹿島建設）、サステナブル・デザイン・ラボラトリー（積水ハウス）▽ソーシャルキッズサポート部門＝こころタクシー（茂呂運送）、アイチケット（アイチケット）▽ソーシャルキッズプロダクツ部門＝ドクターベッタ哺乳（ほにゅう）びん「ブレイン」（ズームティー）、長岡市子育ての駅「てくてく」＋千秋が原南公園＋信濃川桜づつみ遊歩道（長岡造形大など）

◇審査員特別賞

　キッズセーフティ部門＝ベビーズスイート（ホテルオリエンタル東京ベイ）▽ユニバーサルセーフティ部門＝クリアウォーム（東京ガス、三菱樹脂）▽フューチャーアクション部門＝CAMPすいそく・かいぞく・図鑑ワークショップ（CSKホールディングス）▽フューチャープロダクツ部門＝nocilisシリーズ（アイ・シー・アイデザイン研究所、錦城護謨）▽ソーシャルキッズサポート部門＝ダイワハウス版子ども手当（大和ハウス工業）▽ソーシャルキッズプロダクツ部門＝ジーゴ・リーダー（ニコライド）

◇TEPIA賞

マルチスライスCTシステム「SCENARIA（シナリア）」（日立メディコ）