さまざまな状況で太平洋戦争を体験した人々が終戦を語った大座談会を描いた半藤一利さんのノンフィクションを映画化した「日本のいちばん長い夏」(倉内均監督)が7日公開される。アニメ「機動戦士ガンダム」の“生みの親”富野由悠季監督やジャーナリストの鳥越俊太郎さん、国際弁護士の湯浅卓さんら著名文化人が俳優に挑戦した意欲作だ。
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戦争のことを語ることなく世を去った父を持つ演出家の「私」(木場勝己さん)は、戦争を語りつぐため、「文芸春秋」の編集者だった半藤さんが主催した座談会を映像作品として再現しようと考える。
東京五輪を翌年に控えた63年、東京の料亭に日本を代表する知識人や政治家、官僚を含む28人の人々が集められた。終戦時に内閣書記官長を務めた迫水久常(湯浅さん)、陸軍大将としてラバウルに赴任していた今村均(富野さん)ら、終戦時に軍部や政府の中枢にいた人物から従軍看護師、前線の兵士まで、さまざまな立場で戦争を体験した28人は、ポツダム宣言から、原爆の投下、ソ連の参戦、そして終戦へ至るまでの流れを浮き彫りにしていく……。
俳優以外の文化人によって演じられる「文士劇」という形をとっており、富野さん以外にもジャーナリストの田原総一朗さん、脚本家の市川森一さん、スポーツライターの青島健太さんら13人の著名文化人が出演。少年時代に終戦を迎えたり父親らから戦争体験を聞いた富野さんらは、戦争に対する自身の思い出や体験も作中で語っている。
テレビの討論番組のように、相手の発言を遮りながら自身の主張を述べるのではなく、それぞれが淡々と自身の体験や考えをしゃべり、周囲はそれをじっと聞いているという流れだが、原作者の半藤さんによると、実際の座談会でも私語をしたり、場が乱れることもなく、みんながそれぞれの話に聞き入っていたという。実際に戦争を体験した当時の人たちでさえも互いの状況を知らなかったというエピソードだ。戦後65年がたち、果たしてどれだけの人が後世に語り継げるだろうか。7日からバルト9、丸の内TOEI2ほか全国で公開。(毎日新聞デジタル)
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