マンガ質問状:「夢色パティシエール」 菓子職人目指すいちごのひたむきさが熱い

「りぼん」で連載している松本夏実さんのマンガ「夢色パティシエール」(集英社)1巻
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「りぼん」で連載している松本夏実さんのマンガ「夢色パティシエール」(集英社)1巻

 話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、テレビアニメも放送中で、平凡な少女が、努力を重ねて一流の菓子職人を目指すという松本夏実さんの「夢色パティシエール」(集英社)です。りぼん編集部の小野房優人さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は?

 味覚と感受性を評価され、名門製菓学校・聖マリー学園に転入した主人公・天野いちご。素人同然の彼女ですが、厳しくも優しいクラスメートや「スイーツ精霊」のバニラとの出会いに支えられ、一流のパティシエール(菓子職人)を目指し努力を続けます。数多く登場する本当においしそうなスイーツの数々、可愛らしいスイーツ精霊なども見どころですが、なによりも主人公・いちごのひたむきさが胸を熱くすること間違いなし。何気にスポ魂です。

 −−作品が生まれたきっかけは?

 (ゲームメーカーの)コナミさんから、カード化を前提とした企画を一緒に考えないかとお話をいただいたのがきっかけです。どんなテーマなら面白そうか編集部内で検討していて、そのころはちょうどスイーツブームが中高生くらいまで下りてきていた時期だったこともあり、「スイーツ」をテーマにした作品がよいのではないかと。また同時に、何かひとつのテーマや目標を持った学園というのは舞台としていいよね……というような話も出ました。

 松本先生と新連載の企画の打ち合わせでこの話をしたところ、以前に「スイーツ」をテーマにした作品を描きたいと考えたことがあったけど、当時は企画が通らなかったということで、ならば今、改めて考えてみようと盛り上がりまして、この連載が生まれました。

 −−作品を担当するうえでうれしいこと、逆に大変なことは?

 毎回、ネーム(下書き)だとスイーツの絵はザックリとしたイメージです。この時点で面白いと思ってゴーサインを出しているわけですが、これが完成原稿になってきれいに絵が入ると、ネームに比べて2倍も3倍も面白さが増しているんです。この「面白いと思ったものが2倍3倍に魅力的になって手元に届く」という経験を毎月できるのがうれしいですね。

 大変なことは話の内容に合ったスイーツや、関連性のありそうなエピソードを探すことでしょうか。監修していただいているフードコーディネイターさんや取材先の皆さんには本当にお世話になっています。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 連載ではグランプリ編が終わり、学内のティーサロンで働く「サロン・ド・マリー」編が始まりました。販売・接客、そして製菓作業においてもただおいしい物を作ればいいわけではない「現場の厳しさ」にさらされながら、いちごちゃんがどう成長していくのか、ご注目ください。

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