本田美奈子さん:冲方丁原作「マルドゥック・スクランブル」主題歌に 主演は林原めぐみ

「マルドゥック・スクランブル」発表会に登場した(左から)冲方丁さん、工藤進監督、林原めぐみさん、磯部勉さん、Conischさん
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「マルドゥック・スクランブル」発表会に登場した(左から)冲方丁さん、工藤進監督、林原めぐみさん、磯部勉さん、Conischさん

 「天地明察」で2010年の本屋大賞を受賞した冲方丁(うぶかた・とう)さんのSF小説を劇場版アニメ化した「マルドゥック・スクランブル 圧縮」(工藤進監督)の記者発表会が11日あり、ヒロインを声優の林原めぐみさんが演じ、主題歌には、歌手の故・本田美奈子さんが歌う「アメイジング・グレイス」を起用することが明らかになった。

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 原作の「マルドゥック・スクランブル」は「圧縮」「燃焼」「排気」の3部作で、シリーズ累計50万部を売り上げ、03年のSF大賞受賞作。ヒロインのルーン・バロットは、自分の心の殻に閉じこもり、行き場をなくしていた。野心家でありカジノ経営者であるシェルに拾われたが、シェルの過去を探ろうとして乗った車を爆破されてしまう。だが、シェルの裏の顔を追っていたマルドゥック市(シティ)の事件担当官であるドクターとウフコックにより、人命保護を目的とした緊急法令「マルドゥック・スクランブル‐09(オー・ナイン)」が適用され、全身の皮膚を強化繊維で再構成させることによって一命を取り留める。バロットはシェルの謎を追うことになる……というストーリーで、劇場版アニメも3部作が製作される予定。 

 ウフコック役でを俳優の八嶋智人さんが出演、ドクターを東地宏樹さん、シェルを中井和也さん、シェルに雇われた委任事件担当官のディムズデイル・ボイルドを磯部勉さんが演じる。主題歌は、白血病のため05年に亡くなった本田さんが、死の直前に発売したアルバムに収録され、多くの人の心を打った曲で、劇中音楽も手がけたConisch(コーニッシュ)さんがアレンジした。

 工藤進監督は「99パーセント完成しています。色合いを普通のアニメっぽくしたくなかったし、より実写っぽくしたかった。今までのアニメではそうない映像になっていると思うので楽しんでほしい」とアピール。ほとんどのアフレコに立ち会ったという冲方さんは、「下手に手加減したプロットを持って行ったら、『原作と違うじゃないか』と返されたくらい」と製作現場の“熱さ”に驚いており、「製作するときのスタンスを学んだ。小説の現場に戻るときに、アニメーションの人に負けたくないという気持ちになった」と話していた。

 ヒロインが声帯を失いながらも音声で言葉を発することができるという設定であることから、のどに骨伝導マイクを装着してアフレコを行ったという林原さんは、八嶋さんの演技については「すばらしかった。感動しました。相当“画”を見込んできたんだろうなという感じで、勉強熱心だし、こういう仕事をいっぱいしたらいいのに」と絶賛していた。

 初公開となる特報映像はコーニッシュさんの生演奏に合わせて上映され、登壇者からは「かっこいい」と大満足の声が上がっていた。映画は11月6日公開。9月下旬から特典付き前売り券も発売予定。(毎日新聞デジタル)

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