注目映画紹介:「ミックマック」 ハイテク兵器企業を相手に“いたずら”

「ミックマック」の一場面。2009 (C)EPITHETE FILMS −TAPIOCA FILMS −WARNER BROS. PICTURES −FRANCE 2 CINEMA −FRANCE 3 CINEMA
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「ミックマック」の一場面。2009 (C)EPITHETE FILMS −TAPIOCA FILMS −WARNER BROS. PICTURES −FRANCE 2 CINEMA −FRANCE 3 CINEMA

 「アメリ」(01年)で知られるジャン・ピエール・ジュネ監督の最新作「ミックマック」の先行公開が4日から恵比寿ガーデンシネマ(東京都渋谷区)が始まった。タイトルは「いたずら」という意味。映画でいたずらの矛先になっているのは、なんとハイテク兵器企業。衣装、美術にいたるまで、ジュネ監督の独創的な世界を思う存分楽しめる。

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 発砲事件に巻き込まれて頭に銃弾を受けたレンタルビデオ店員の青年バジル(ダニー・ブーンさん)は、一命をとりとめたものの、頭に弾が残ったままで、職を失いホームレスになってしまった。ある日、男に声をかけられてついていくと、不思議なガラクタの城にたどりつく。そこには、廃品をリサイクルするキャラの濃い人たちがいて、バジルを家族として迎え入れてくれる。一緒に仕事を開始した直後、バジルは二つの建物を発見。一つは、自分の頭に残った銃弾を作っている軍事会社。もう一つは、父の命を奪った地雷を作っている兵器会社だった。バジルは両方の会社にいたずらを仕掛けることを思いつく……というストーリー。

 ジュネ監督流の「リベンジ」は、シニカルなユーモアにあふれていて飽きさせない。世の中からつまはじきにされた人たちが一致団結して、しかもガラクタ(これまた一度は社会からはじかれたもの)を使って相手をやっつける。その相手がハイテク兵器企業なのだから、痛快極まりない。次から次へと飛び出すいたずらの仕掛けの細かいこと! 映画は後半、加速度をつけて大掛かりな作戦に出ていくが、それも想像をはるかに超えており、ワクワクする。

 主人公よりも脇に濃いキャラ……ガラクタのアーティストや人間計算機、ギロチン男……さまざまな不思議キャラをちりばめた、おとぎ話的な作りで、不思議の国に迷い込んだような感覚になった。アニメ化しても面白そうな作品だ。4日から先行公開、18日からシネマスクエアとうきゅう(東京都新宿区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)

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