ラファエル・ナダル選手:「生涯グランドスラム」達成 初来日直前に独占インタビュー WOWOW

「楽天ジャパンオープン」のためにまもなく初来日するラファエル・ナダル選手
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「楽天ジャパンオープン」のためにまもなく初来日するラファエル・ナダル選手

 ニューヨークで開催されたグランドスラム4大大会の「全米オープン」で、男子選手として史上7人目の「生涯グランドスラム(4大大会制覇)」の偉業を成し遂げたテニスのラファエル・ナダル選手(スペイン)。10月4日に迫った「楽天ジャパンオープン」のために初来日するナダル選手に大会の公式放送局WOWOWが独占インタビューした。27日午後10時にはナダル選手の活躍を本格的に追ったドキュメンタリー番組「ノンフィクションW 太陽の男 ラファエル・ナダル~No.1テニスプレーヤーの原点」がWOWOWで放送される。

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 −−スペインのマジョルカ島にずっと住んでいる理由は?

 いろんなところに行ったけれど、マジョルカほど気に入ったところはほかにないよ。マジョルカから出て行くことは一度も考えたことはないね。

 −−マジョルカ島の特にいい点はどこですか?

 マジョルカ島は他の大都市と違って静かな場所だけど、大都市と同じことができるんだ。スキー以外はなんでもできる。それと、気候が素晴らしいから、野外でいろんなことを楽しめる。僕は太陽が大好きなんだけど、ここでは1年のほとんどの間、太陽が出ているんだ。

 −−あなたにとって家族とはどういう存在ですか?

 僕の家族はきずなが強くて、家族でさまざまなことをやってきた。両親とはもちろんだけど、妹とも仲がいいし、叔父叔母や祖父母とも素晴らしい関係さ。家族はそれぞれ違った存在だけど、僕にとって誰もがとても大切な存在だ。

 −−これまでの選手生活で、ターニングポイントとなった大きな試合はありますか。

 04年の年末に運良く、デビスカップ決勝の対アメリカ戦のメンバーに選ばれた。その戦いで勝ったのが自分にとって特別な試合の一つだ。その年は、ランキング1位だった(ロジャー・)フェデラー(スイス)にも勝っていたけど、僕にとって初めての大きな試合は、このデビスカップ決勝の対アンディ・ロディック戦だね。

 −−05年から、あなたは急成長しました。

 05年はシーズン最初からほぼ順調だったよ。ドーハ(カタール)とオークランド(米国)の大会ではいいプレーができなかったけど、中南米では調子が良くなって、ブラジル・オープンとアカプルコ(メキシコ)の大会では優勝した。そして、マスターズ1000のマイアミ(米国)の決勝でフェデラーと対戦した。その時、僕は2セットを先に取っていて勝てたはずだった。でもフェデラーはすごいパフォーマンスで盛り返し、僕はそれに対抗できずに負けた。しかし、そこから僕は大きく飛躍したんだ。その後、モンテカルロで優勝し、それが初のマスターズ1000での優勝だった。バルセロナ(スペイン)とローマの大会でも勝ち、全仏オープンでも優勝した。あの時点で、すべてのコートでワンランクアップしたと思う。とくにクレーコートでね。その年の夏にはスウェーデンやシュツットガルト(ドイツ)の大会でも優勝したし、その後のカナダのモントリオール大会では初めてハードコートで優勝して、さらに躍進を遂げたと思う。

 −−自分に自信がついたのはいつごろからですか。

 最終的に、自分はどんなコートでも戦える選手だと自信を持ったのは07年、ウィンブルドンの決勝に進出できた時だね。組み合わせに恵まれなかったにもかかわらず、決勝まで勝ち上がれたのは、大きな自信になったよ。実際、オリンピックでも優勝したし、オーストラリアの大会でも勝った。一歩ずつ階段を上がってきたけれど、運がいいことに、かなり速いスピードだったね。もちろん途中、厳しい時期もあったけどね。

 −−コーチのトニー(叔父)はあなたにとってどのような存在ですか。

 まず、叔父が重要な存在だというのは明らかだ。もし、叔父がいなかったら、おそらく今この場で、僕はテニス選手、ラファエル・ナダルとしてインタビューを受けていないだろう。まず、そのことを感謝しなければならない。叔父は僕をこのような選手に育てることや僕にいろいろと教えることにずっと専念してくれた。教育の面でもテニスの面でも、叔父がいなかったらなし得なかったので感謝している。コーチを代えようと考えたことはないね。

 −−あなたは両手を同じように使えますが、どの時点で左手を使おうと決めたのですか?

 テニスやサッカーなどのスポーツでは左利き、日常生活では右利きだよ。テニスを始めたときは両手を使っていた。バックハンドを打つときもドライブを打つときもね。まだ3歳だったから、十分な力がなかったので、トニーにそう教えられた。その後、9歳か10歳のころ、片方の手にしたけど、自然に左手を使うようになった。

 −−プロ選手になれると思ったのは何歳ぐらいのときですか?

 子どものころからずっと、テニスの練習をしていればプロになれる、自分の人生はテニスだと思っていた。

 −−子どものころ、あこがれていた選手はいますか?

 マジョルカ島出身のカルロス・モヤだね。彼は友人でもあるけどね。また、子どものころ、(ピート・)サンプラスと(アンドレ・)アガシのいろいろな決勝戦を見たのを覚えているよ。

 −−これからテニスを始める子どもたちに勧める練習はありますか。

 僕のアドバイスは、テニスを好きになって楽しんでほしいということ。たくさん練習をしなければならないからね。どんなに才能があっても、一流になるにはたくさん練習をする必要がある。好きになれずに、きつい練習に耐えられないなら、単にスポーツを楽しむだけの方がいい。プロの選手はそのスポーツを好きになって、プレーすることを楽しめなきゃならない。お勧めの練習はないよ。一流になるにはいろいろな方法があり、僕がやった方法だけではない。(ロビン・)ソダーリング、(トマシュ・)ベルディヒ、フェデラー、(アンディ・)マレー、(ノバク・)ジョコビッチにはそれぞれ別の方法があると思う。一流になるにはいろいろな道がある。

 −−厳しい状況に立たされたとき、モチベーションを上げる方法はありますか。

 コートの中でという意味なら、勝ちたいと思うことだね。僕は勝つことが好きだ。でも、勝ち負けを超えた部分で、良いプレーをしたいと思っている。良いプレーをする、最後まで戦うという気持ちだ。

 *……ラファエル・ナダルの世界初の本格的なドキュメンタリー「ノンフィクションW 太陽の男 ラファエル・ナダル ~No.1テニスプレーヤーの原点」は、27日午後10時からWOWOWでハイビジョン放送される。ナレーションは女優の松たか子さんが務める。松さんは「テニスドキュメンタリー」のナレーションを担当するのは初めて。

 *……ナダル選手が初来日し、日本の錦織圭選手も2年ぶりに参戦する「楽天ジャパンオープンテニス」は10月4~10日に連日生中継(デジタル193ch、決勝はハイビジョン5.1)

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