話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、プロのマンガ家を目指す2人の少年の青春ストーリーを描いた大場つぐみさん原作、小畑健さん作画のマンガ「バクマン。」(集英社)です。週刊少年ジャンプ編集部の門司健吾さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
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−−この作品の魅力は?
「バクマン。」は中学生の主人公2人が、人気マンガ家を目指してマンガ道を驀進(ばくしん)していく話です。少年マンガの題材としては若干風変わりですが、決して「トリッキーな題材を扱う邪道マンガ」や「ただの舞台裏暴露マンガ」ではありません。夢へと突き進む主人公たちの熱さ、絶体絶命のピンチとそこからの逆襲、強力なライバルとの闘いや友情など、マンガ家の世界をあくまでも「超王道少年バトルマンガ」として描いています。「バクマン。」にこめられた少年マンガの魂、その熱さをぜひ感じ取ってほしいです。
−−作品が生まれたきっかけは?
「マンガ家になりたい」「声優になりたい」という子供が意外と多いので、マンガ家を目指す作品ならそういった子供が興味を持ってくれそうだし、ジャンプの内情も絡めて描けば面白いだろうと原作の大場先生は以前より思っていたそうです。
「DEATH NOTE(デスノート)」連載中より漠然としたアイデアがあったので、担当編集より「何か次回作のアイデアはない?」と聞かれたときにそれを形にしたものが「バクマン。」の第1話になっています。
−−原作を担当する大場つぐみさんはどんな方なのですか?
とにかくサービス精神が豊富な人で、打ち合わせ中も担当を面白がらせようとちょくちょくギャグをはさんできたりします(笑い)。そうしたサービス精神は作品にも表れていて、一話の中にいかに盛り上がりを作るか、どれだけ魅力的な引きを作るかなど、読者を楽しませるためにどうしたらいいか毎週ひたすら考え抜いています。
作品を面白くするためなら手間をいとわない、謙虚でまじめな方だという印象です。ギャグでは時々不まじめなことを言いますけどね(笑い)。
−−作品を作るうえでうれしいこと、大変なことは?
色々な難しさがありますが、たとえば作中作の多さもその一つです。キャラが描いているマンガという設定なので、話は「大場つぐみが考えている」っぽくならないように、マンガは「小畑健が描いている」っぽく見えないよう作風や絵柄をキャラに合わせて変えています。そうした細かい部分も含めてリアルにできるよう両先生ともに工夫されています。
これは作中作に限らないことですが、絵の良さを引き立たせる原作、原作の面白さを更に引き出す絵という形で、2人の相互作用が結実した原稿を見る瞬間はなんともいえないうれしさがあります。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
10月2日からテレビアニメの放送も開始しますので、今までより更に多くの方に「バクマン。」という作品に触れていただけるのではないかと期待しています。とにかく手に取っていただければ決して後悔はさせない作品になっていると思いますので、未読の方はぜひ一度手にとっていただければと思います。
今まで読んでいただいた方にも飽きさせないよう今後もさまざまな驚きを用意していきますので、原作とアニメで週2回「バクマン。」の世界を楽しんでほしいです。具体的な展開としては、亜城木たちに新たなる試練が……と、これ以上は言えないので少年ジャンプ本誌を読んでいただけるとうれしいです(笑い)。
集英社 週刊少年ジャンプ 門司健吾
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