なぜだろう。筒井康隆氏の原作ものは、「時をかける少女」といい、この「七瀬ふたたび」といい、何度映像化されてもいいものだ。筒井康隆さんの作家生活50周年記念作品「七瀬ふたたび」(小中和哉監督)が2日に全国で公開される。七瀬役に芦名星さんを迎えて、闘うカッコいい姿でみせてくれる。
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「七瀬ふたたび」は筒井さんの「七瀬3部作」(「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」の中でも中心となる作品。人の心が読める能力「テレパス」を持つ七瀬(芦名さん)は、同じテレパスの少年ノリオ(今井悠貴さん)とテレキネシス(念動力)を持つ青年ヘンリー(ダンテ・カーヴァーさん)と北海道でひっそりと暮らしていた。時折海外のカジノに出かけて生活費を稼いでいたが、マカオで知り合った瑠璃(前田愛さん)と一緒に帰国するとき、何者かに命を狙われていることに気づいた七瀬は、狙撃手から逃れて、都内のホテルに泊まることにする。一方、変死体が見つかった現場のエレベーター内の防犯カメラに映っていた七瀬を警察がマーク。予知能力者の了(田中圭さん)が七瀬を心配し、電話で「瑠璃と離れるな」と忠告してくる。そして、了の忠告に従ってタイムトラベラーの藤子(佐藤江梨子さん)をたずねるが……というストーリー。
芦名さんの意志が強そうな目と、ツヤのある声が印象に残る。闘うことがまるで天命かのような凜(りん)とした表情は、特殊な能力を持つ七瀬の孤独を際立たせることに成功している。七瀬は同じような能力を持つ仲間のリーダーとして、超能力者を異分子として抹殺しようとする国家と対決する。悲しみが宿る闘う七瀬の姿は美しい……。
「ウルトラマン」シリーズなど多くの作品を手掛ける小中和哉監督が手がけた。小中監督は「闘う少女」を描くのが得意なのだろうか。細かな絵コンテに基づき、SFXを使用、CGや文字、アニメーションを駆使して未来感を出した。念力で敵の頭をつぶすシーンでは、80年代の特殊メークがはやり始めたころのイメージを再現したいと考え、あえて特殊メークを使用したという。通好みのこだわりで作られているこの映画で、中でも異彩を放って見えたのが、前田さんの衣装だ。みんな地味めな色合いだったのに、なぜ彼女だけ、藤子・F・不二雄作品の未来人みたいなファッションだったのだろうか……。2日からシネ・リーブル池袋(東京都豊島区)、シアターN渋谷(東京都渋谷区)ほか全国でロードショー。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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