世界的な大ヒットゲーム「ポケットモンスター」の4年ぶりの新作「ポケットモンスターブラック・ホワイト」が9月18日に発売された。予約本数が180万本を突破し、発売からわずか2日で250万本以上を売り上げた大ヒット作の魅力に迫った。
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「ポケットモンスター」は96年、ゲームボーイ向けに第1作「ポケットモンスター 赤・緑」が発売され、全世界でシリーズ累計1億4000万本、関連ソフトを合わせると2億本以上を販売している人気ゲームだ。さまざまなポケモンを仲間にして育成し、最強のポケモントレーナーを目指すゲームで、出現するポケモンが変わる別バージョンのソフトとポケモンを交換したり、プレーヤー同士で対戦するなどさまざまな試みで人気を集めた。
また、97年からテレビ東京系でスタートしたテレビアニメも高視聴率をマーク。98年から毎年公開されている劇場版アニメは、前売り券の販売枚数がギネ記録となり、第1作「ミュウツーの逆襲」の654万人を筆頭に、全13作で250万人以上の観客動員を記録。シリーズ累計で5600万人を突破する大ヒットを記録している。
4年ぶりの完全新作となる「ポケットモンスターブラック・ホワイト」は、新たな土地「イッシュ地方」が舞台だ。プレーヤーは、気難しいがまっすぐな性格の少年「チェレン」、マイペースだががんばりやの少女「ベル」とともに、「アララギ博士」からポケモンを受け取って冒険の旅に出る。さまざまなポケモンたちを仲間にして「ポケモン図鑑」に記録しながら、各町に点在する「ポケモンジム」のジムリーダーたちを倒して、最強のトレーナーを目指す。そこにポケモンの解放をうたう「プラズマ団」や謎の青年「N」も関わり、物語は進んでいく。
開発の指揮を執ったのは、ゲームフリークの増田順一ディレクターだ。第1作からシリーズにかかわり、00年に発売された「ポケットモンスター クリスタルバージョン」からはディレクターを務める“ポケモンの育ての親”の増田さんは「ゲームを遊んだことがない人でも楽しんでもらいたい」と考えながら開発に取り組むという。物語の冒頭で必ず世界観の説明を入れることに始まり、町の看板やキャラクターの配置など、その時々のプレーヤーの気持ちを考えながら作っていくという。
今回、冒険で出会うポケモンたちは、これまでのシリーズでは登場したことのない“新顔”ばかりだ。「前の作品を遊んでいる子供は、知っているポケモンが登場した瞬間に、そのポケモンが強くなるのか分かってしまうので、子供が有利にならないように、すべてのポケモンを新しくした。(最近のポケモンをプレーしていない)大人と子供のスタートラインを合わせたかったんです」と語る。
他のプレーヤーと交換や対戦したりと、個人では終わらない仕掛けを取り入れているのもシリーズの特徴だ。今回はゲームを起動している間は常時通信を作動させることができるようになった。常に周囲のプレーヤーが何をしているのか分かるだけでなく、相手の世界にも入っていける。また、他のプレーヤーとすれ違うだけでさまざまなデータがやり取りされ、収集したデータをもとにゲーム内でさまざまな調査が行えるようになる。さらにカメラ機能がある「DSi」や「DSiLL」では、テレビ電話のように顔を見ながら周囲のプレーヤーと会話することもできる。
増田さんは「ポケモンを“卒業”したと言っている人にも遊んでほしい。日常のサイクルの一つになってくれれば」と考え、さまざまな仕掛けを盛り込んだという。“卒業生”も一度手に取ってみては?(毎日新聞デジタル)
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