東京セレソンデラックス:待望の新作「くちづけ」WOWOWで10月21日放送 「SPEC」堤監督も大絶賛

「くちづけ」のワンシーン 撮影:齊木恵太
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「くちづけ」のワンシーン 撮影:齊木恵太

 “今日本で一番泣ける”といわれる演劇集団「東京セレソンデラックス」の10周年を記念する新作「くちづけ」が、シアターサンモール(東京都新宿区)で7月7日~8月1日に公演された。新ドラマ「SPEC 警視庁公安部公安五課未詳事件特別対策係事件簿」(TBS系)の放送を控える堤幸彦監督をはじめ、業界関係者にもファンが多いという同劇団の、新作舞台が10月21日、WOWOWで放送される。

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 「くちづけ」は、本当にあった事件を基に、3年ぶりに作られた新作。幼稚園児レベルの知能のうーやん(宅間孝行さん)、頼朝くん(菊池優さん)、島ちん(たなかたくさん)たちが住む軽度の知的障害者のグループホーム「ひまわり荘」に、住み込みのスタッフとして、かつて一度だけ大ヒット作品を出したマンガ家の愛情いっぽん先生(金田明夫さん)と、幼稚園児レベルの知能でもうすぐ30歳になる娘のマコ(加藤貴子さん)がやって来た。にぎやかになったひまわり荘では、純真でわがまま放題の行動が笑いを巻き起こしていく。そんな中、うーやんとマコはお互いを恋の相手として意識し始める……という物語。

 同劇団は、宅間さんが主宰を務める人気演劇集団で、07年には「歌姫」がTOKIOの長瀬智也さん主演でドラマ化されている。宅間さんは、新聞の端にあった事件の記事を見て「この事件の切なさを伝える作品をいつか作りたい」と、「くちづけ」の企画を10年近く温めていた。キャスト全員で実際のグループホームにも取材に行き、入居者と交流を深めるなど、物語の背景や役作りに時間をかけ、「隅々まで妥協はない」と言い切る舞台に仕上がっている。

 同劇団の大ファンだという堤監督は、同劇団について、ストーリーや芝居、言葉遣いがとても分かりやすいといい、「自分のブログで、演劇が持っている面白さ、人を引きつける魅力みたいなものが宅間さんの劇団にはあると思うと、正直に書かせてもらいました」と話し、泣ける、笑える以上の引きつける魅力を紹介した。また、今回の舞台に対しては、「笑うこと、あるいは泣くこと、社会的なメッセージ、どれからも逃げずに構成されている芝居の成り立ちに感動しました」と話し、「深く笑えるし、深く泣けるっていうのはなかなかできないです。本当に笑いながら泣きながら感動しました」と大絶賛した。

 同舞台は10月21日、WOWOWで午後9時40分より放送予定。(毎日新聞デジタル)

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