大沢たかお:「俳優として向き合い方が変わる」 主演した時代劇映画「桜田門外ノ変」初日

「桜田門外ノ変」の初日舞台あいさつに登場した大沢たかおさん
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「桜田門外ノ変」の初日舞台あいさつに登場した大沢たかおさん

 俳優の大沢たかおさん(42)が16日、映画館「丸の内TOEI1」(東京都中央区)で行われた主演映画「桜田門外ノ変」(佐藤純彌監督)の舞台あいさつに共演の長谷川京子さん(32)、加藤清史郎君(9)らと登場。大沢さんは「この作品を通してたくさんの死の上に僕らは立っていて、(過去に亡くなった人が)無念だったかどうかは僕らの今とこれからが豊かになるかどうかにかかっていると感じた。俳優としてこれから(役への)向き合い方が変わる作品だった」と話した。

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 「桜田門外ノ変」は、吉村昭さんの歴史小説が原作。安政7(1860)年の井伊直弼大老暗殺事件の実戦部隊の指揮官だった鉄之介(大沢さん)を中心に、当時の幕藩体制と水戸藩の関係、水戸藩の下級武士だった鉄之介がなぜこのような大事件にかかわることになったのか。そして事件後、彼は何を考え、何を悩み、2年後の捕縛に至ったのかを克明に描いている。映画初出演となる歌舞伎役者の坂東巳之助さん(21)も出演する。

 会場には映画の場面に似せて“雪”を降らせる演出もあり、大沢さんが「雪祭りみたいになっちゃった」と笑顔を見せた。大沢さん演じる鉄之介の妻・ふさ役で、本格時代劇に初挑戦した長谷川さんは「口数の少ない、現代の女性とは違う役を自分の中で消化するのは難しかった」と振り返りながらも「家を守るという使命を果たせたと思う」と自信を見せた。鉄之介の息子・誠一郎を演じる加藤君は、司会者から「初めて使った鍬(くわ)の話を」と振られ、「すごく重いなと思って……。思い切りやったら抜けなくなって……、(抜こうと思って)思い切り引っ張ったら頭に当たっちゃったこともあった。……いい体験になりました」と考えながら回答。それを見た大沢さんは「裏で鍬の話をするかどうか悩んでて、心の準備ができてなかったんです」とフォローしていた。

 また「大変な役をいただいて緊張していた」という徳川斉昭役の北大路欣也さん(67)は「紀尾井町に住んでいるので毎日、桜田門を目をつぶって通る。壮絶な事件があったのはたった150年前。(この映画で)男、女、それぞれの美しい思いを再確認した」と話し、井伊直弼役の伊武雅刀さん(61)は「井伊は鼓、太鼓、歌、狂言を作ったりして多才な方。刀の腕も相当だった。水戸の野郎にかごの中で刺されるのは無念」と話し、「(劇中には)あまり出てきませんが、(役名の井伊直弼の)名前を連呼されたのでありがたかった」とジョークで観客を笑わせていた。

 舞台あいさつには、出演者の渡辺裕之さん(54)、生瀬勝久さん(50)、中村ゆりさん(28)と佐藤監督、主題歌を歌うalanさん(23)も登場した。映画は16日から全国で公開中。(毎日新聞デジタル)

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