北川景子：向井理とNYロケ　聖地ソーホーや5番街、観光地などで映画「パラダイス・キス」撮影

　「NANA」などで知られるマンガ家、矢沢あいさんの人気ファッションマンガを映画化した「パラダイス・キス」（新城毅彦監督、11年5月公開予定）のニューヨークロケがこのほど行われ、主演の北川景子さん（24）と向井理さん（28）らが撮影に参加した。北川さん演じる早坂紫（はやさか・ゆかり）がNYを訪れるという本編の重要なシーンを撮影するため、ファッションの聖地、ソーホーや5番街のほか、タイムズスクエアやセントラルパークなどの観光地を訪れた北川さんは、「正味5日間の撮影で、すごくタイトではあったんですけど、NYの素晴らしいロケーションで撮ることができたので、そこはすごく良かったなと思います」とNYを満喫したようだった。

ウナギノボリ

「光る君へ」より昔！　最も古い時代の大河ドラマは？　1976年「風と雲と虹と」のあらすじ

　「パラダイス・キス」は矢沢さんがファッション誌「Zipper」（祥伝社）に99～03年に連載したマンガが原作。矢沢さんが「りぼん」（集英社）に95～97年に連載した「ご近所物語」の続編に当たり、コミックスは全5巻で累計600万部を発行し、矢沢さんの代表作の一つといわれている。05年にはフジテレビ系でアニメ化もされた。都内有数の進学校に通う紫（北川さん）は、受験を控えつつも成績が伸びず、自分の生き方に疑問を持ち始めていた。ある日、ファッション業界を目指す学生から「学園祭のショーモデルになってくれないか」とスカウトされる。最初は戸惑うがデザイナーへの真っすぐな夢を追いかける仲間と出会い、刺激を受ける。とくに仲間内でも異彩を放つ小泉ジョージは学園内で天才デザイナーと呼ばれ、注目を集める存在で、紫は彼の行動に振り回されながらも強く引かれていく……というストーリー。

　北川さんは役柄について「今回紫をやるって決まって、初めて『パラダイス・キス』を読ませてもらったときに、すごく紫という役に共感したので、そのときの第一印象を忘れないで演じたいなと気を付けながらずっとやっています」といい、撮影を通じて「“おしゃれには苦痛が伴うものだ”ということを再認識しました。動きづらかったりヒールがすごい高かったりするので、やっぱりおしゃれでいることは大変。楽しておしゃれはできない、っていうのが分かりました」と感慨深げだった。だが「本当に女性に自信を持たせてくれるのが美しい装いやヘアメークだと、撮影を通じて思いましたね。台本読んだときに『たくさんのエキストラさんの前で堂々と歩けるかな』とかいろいろ心配はあったんですが、本当に素晴らしいドレスがみんなのおかげで出来上がって、本当にキレイなヘアメークとヘアスタイルだったので、そこで自信を持ってやることができたのではないかと思うので、ファッションは”女の子の味方”だと思います」と改めて感じたようだ。

　ジョージを演じた向井さんは、マンガが原作のため「読んだ人はそれぞれ声や動きのイメージを持っているので、そことの違和感を考えると身動きがとれなくなってしまいます。なのでそこは自分なりのものをやろうと割り切ってやるほかないので、勇気みたいなものがいつも必要ですよね」と悩んだという。実の兄がファッションデザイナーだが、「ジョージというキャラクターをどういうふうにするかの方で、自分の頭の中はいっぱいだったので、結局相談しなかったですね。確かにファッションデザイナーという要素は必要なんですけど、人間として描きたい部分が多かったので、あまりそこで人に頼らないほうがいいなと思ってやめときました。今回は」と相談はしなかったという。

　共演の北川さんに対しては「今回お会いするのも初めてで。とても素直な方なので、わりと腹を割って話すこともできました。それは役柄として距離の近い関係性でやるにはやりやすかったなと思いますね」と好印象を持った様子。撮影ではファッションショーのシーンが印象に残っているといい、「ファッションに関する作品なので、どのシーンというより、やっぱり一つ一つがとても細かくて、ファッションに対してスタッフの妥協が全くなかったので、それは素晴らしいことだと思いました」といい、役で着たファッションについて「全部オーダーでサイズを作ってもらったので、体形を変えられないなというのはありました。全部タイトだったので、難しい部分と、ファッションとして楽しめた部分と両方です」と感想を述べた。

　共演は、山本裕典さん（22）、五十嵐隼士さん（24）、大政絢さん（19）、賀来賢人さん（21）、加藤夏希さん（25）ら。映画は10月末にクランクアップし、公開は11年5月の予定。（毎日新聞デジタル）