ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、なぜか7回死ねる呪いをかけられていた主人公と、「最古の魔術師」のヒロインら個性的なメンバーのドラマを描いた学園ファンタジー「いつか天魔の黒ウサギ」(鏡貴也著、榎宮祐画)です。富士見書房ファンタジア文庫の賀屋聡子さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
本作は、主人公が“すべてをあきらめない”物語です。
自分は平凡だと信じていた宮阪高校1年生・鉄大兎(くろがね・たいと)。しかし、彼は忘れていた。自分が人外の美少女《最古の魔術師》(ヴァンパイア)サイトヒメアとの“約束”で、“15分間に7回殺されないと死なない”体だということを。とある事情で9年間失っていた記憶を取り戻し、ヒメアと再会してから、普通だったハズの大兎の日常は、非日常的な出来事だらけに! いきなり化け物と戦うことになったり、「大兎、大好き!」と気持ちを素直にぶつけてくるヒメアに戸惑ったり。世界の秘密にかかわるシリアスな事件も、隣にいる女の子の気持ちにどう応えるべきかも、同じように悩み一生懸命に毎日を暮らす大兎。そんな彼と一緒に泣いたり笑ったりしながら、お楽しみいただける物語です。
さらに本シリーズは、「長編」と「高校編・紅月光の生徒会室」の二つを展開中です。大兎を中心とする「長編」に対し「高校編」では、「長編」でも大兎をこき使う“俺様”生徒会長・紅月光(くれない・げっこう)が、宮阪高校の問題をアノ手コノ手で解決する物語になっています。ちなみに月光の二大決めゼリフは「違う、俺は天才だ」&「お前らみんな、俺の奴隷だ!」。超天上天下唯我独尊なヤツですが、キャラ立ちはピカイチです(笑い)。「長編」&「高校編」、あわせて読むとよりディープに「いつ天」が面白くなります!
−−作品が生まれたきっかけは?
著者の鏡さんと、「現代学園ものをやりたい!」と考えたのが最初です。私が担当になった時、鏡さんは現在アニメ放映中の「伝説の勇者の伝説」という代表作をお持ちでした。ですから「新しいことを始めるなら今度はファンタジーじゃない、現代学園ものを!」と考えたワケです。何より私が「鏡さんの学園ものを読んでみたい! 絶対面白いハズだ!」と思ったのもありましたし(笑い)。編集部側のこのオーダーは、幸い鏡さんのご希望とも一致して、いくつか作品案をいただくことができました。その中のひとつが「いつか天魔の黒ウサギ」の原型です。
−−作者とイラストレーターはどんな方でしょうか?
著者の鏡さんは、とにかくエネルギッシュな方です。超ポジティブシンキングで、めちゃくちゃタイトなスケジュールを乗り越えていらっしゃいます。どんなことにも一生懸命であきらめないところは、大兎に通じる感じでしょうか。とにかくプラスのエネルギーにあふれていて、一緒にお仕事していると、いつの間にかこちらもポジティブになるという、すごい特殊能力がある方です(笑い)。
イラストの榎宮さんは、いつかお仕事をご一緒したいと考えていたのですが、鏡さんに「いつ天」のキャラ案をいただいて、コレだ!と思って依頼させていただきました。ちなみに榎宮さんも、鏡さんと同じで極限まで頑張るタイプです。毎回、ドラゴンマガジンの特集や文庫の作業で大量にイラストを発注させていただくのですが、「えー、こんなに無理っす!」と言いながら、オーダーはすべてこなしてくださるという(笑い)。「いつ天」は、いつでもエンジン全開な著者&イラストレーターのコンビネーションで、お届けしております!
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
実は、「いつ天」アニメ化企画進行中です! これも読者のみなさんの応援のおかげです。本当にありがとうございます。「まだ読んだことないよ」という方も、この機会にぜひ読んでいただけるとうれしいです。11月発売のドラゴンマガジンでの表紙・巻頭特集をはじめ、ますます楽しんでいただける作品になるよう、著者・イラストレーターと一緒に盛り上がります!
富士見書房 文芸グループ ファンタジア文庫 賀屋聡子
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