注目映画紹介:「国家代表!?」 スキージャンプチーム結成の“ほぼ実話” 韓国のスポ根映画

「国家代表!?」の一場面。(C)2009 KM CULTURE,SHOWBOX/MEDIAPLEX ALL RIGHTS RESERVED
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「国家代表!?」の一場面。(C)2009 KM CULTURE,SHOWBOX/MEDIAPLEX ALL RIGHTS RESERVED

 冬季五輪を誘致するために、韓国でスキージャンプの国家代表チームが急きょ組織されることになった。スキージャンプ未経験者なのに選手に仕立て上げられた4人とそのコーチが、韓国代表としてオリンピック出場を懸けて邁進(まいしん)する姿を描いたスポ根映画「国家代表!?」が23日から全国で公開される。「チェイサー」(08年)や「ノーボーイズ、ノークライ」(09年)、「パラレルライフ」(10年)のハ・ジョンウさん、韓国の人気ドラマ「コーヒープリンス1号店」(07年)でブレークしたキム・ドンウクさんらが出演し、本国では4週連続1位を記録するほどのヒットを飛ばした。

ウナギノボリ

 母を捜しに米国から韓国にやって来た元米国アルペンスキージュニア代表のボブ(ハさん)、学生時代はスキー選手だったが薬物使用でメダルを剥奪(はくだつ)され、現在はナイトクラブで働くフンチョル(キム・ドンウクさん)、祖母と弟(イ・ジェウンさん)の面倒を見るチルグ(キム・ジソクさん)、横暴な父に頭を悩ませる焼き肉屋の息子ジェボク(チェ・ジェファンさん)の4人は、「選手になれば、それぞれに抱える問題を解消できる」というコーチ(ソン・ドンイルさん)の言葉に乗せられ、設備などがそろわない中で、コーチ考案の策で特訓に励む。98年の長野オリンピックに出場した彼らが、実際にどのような結果を残したかは記録に残っているが、そこにいたるまでの彼らの涙ぐましいまでの努力が、恐ろしいほどドラマチックに描かれている。

 「ほぼ実話」をうたう通り、登場人物の生い立ちが実際とは異なるなど脚色した部分も多い。とはいえ、キャストは実際の国家代表選手たちと3カ月にわたる集中特訓をして役に備えた。また、ジャンプシーンの撮影では10台のカメラが使用され、臨場感ある映像が楽しめる。「カンナさん大成功です!」のキム・ヨンファ監督が脚本も担当。「つらい環境でも一生懸命に生きるすべての人々に希望を与えたいと願い作りました」という目的は達成されたといっていい。23日からシネマスクエアとうきゅう(東京都新宿区)、丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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