名探偵コナン
#1143「乱歩邸殺人事件(後編)」
11月23日(土)放送分
話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、織田信長に仕える最強(でも少しドジっ子)の忍者少女を主人公に、羽柴秀吉や信長の妻・帰蝶、松永久秀ら愉快な仲間たちの活躍を描く重野なおきさんの「信長の忍び」(白泉社)です。ヤングアニマル編集部の大野木貴史さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
天下統一をめざす織田信長に出会った忍びの女の子・千鳥が主人公の、戦国ストーリー4コマです。千鳥は10歳ですが、化け物クラスの強さの持ち主。でも10歳ですのでところどころヌケている、でも元気で前向きな女の子です。信長の、乱世を憂う思いにうたれ、また、良い世のために戦う意志に魅せられ、信長の夢のために活躍することを誓います。見どころは……いや、もう全部なのですが! 戦国時代の史実を追うだけでも大興奮モノですが、登場人物がまた濃ゆ~い人たちばかりで……。大名や武将や有名人は本当に面白いです。作者の重野なおき先生は大の歴史ファンで、また4コマ作家として10年のキャリアをお持ちです。これまで培ってこられた歴史への愛を、作家としての才能と技術で4コマにして、その面白さを存分に発揮しているとても楽しい一作です。そうそう、基本的にはギャグマンガです。
−−作品が生まれたきっかけは?
掲載誌「ヤングアニマル」での前作「のの美捜査中!」が4年の連載を終え、次回作をどうしましょうかと悩んでいたところ、歴史ファンの編集長が「重野さんは歴史って興味ないのかなぁ」と持ちかけたのがきっかけです。で、聞いてみたら「4コマ界随一の歴史マニアですよ、僕は!」の一言が。いや、知らなかったです(苦笑)。それから重野先生と編集長と私で、安土へ行ったり姉川へ行ったり金ケ崎へ行ったり。旅先で重野先生と編集長はずーっと歴史トークをしています。私は詳しくないので、へぇーとか面白いなぁーとか言う係です。
−−作品を担当するうえでうれしいこと、逆に大変なことは?
やっぱり読者の方から感想の手紙やメールをいただいたときです。特に「歴史が好きなのですが、このマンガでもっと好きになりました」や「歴史は食わず嫌いでしたが、こんなに面白いんですね」といった感想がうれしいです。最近は小さなお子様を持つ親の方から「子供がとても楽しみにしています」という手紙をよくいただきます。重野先生も2児の父なので、とてもうれしいそうです。ただ、重野先生の息子さんは「忍たま乱太郎」の方が好きみたいです。大変なことは重野先生の体調です。先生は超多忙な上にカゼをひきやすい体質なので、私はあらゆる祈祷(きとう)を勉強し、カゼをひかないよう祈っています。そのかいあってか、2010年はまだ大きなカゼをひいていません。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
桶狭間の戦いから始まって、10年10月現在で物語は朝倉・浅井との戦い、「金ケ崎の退き口」を描いています。快進撃を続けてきた新鋭・織田信長が、ついにさまざまな難関に行く手を阻まれ続け、もがきながらも前進していく……というのが「金ケ崎の退き口」以降の史実ですが、果たして!? 笑いをふんだんに盛り込みながらも、アツく燃える展開、シリアスに切ない展開、戦国のさまざまな面をたくさん見せてくれる本作「信長の忍び」は、ますます皆さまに感動をお届けできると思っています。担当していて、小学校の歴史の教科書になっても良いと思えるぐらい、楽しく勉強できるマンガでもあります。歴史アレルギーの方にこそ読んでいただきたい一作、どうぞよろしくお願いいたします。それから祈祷に精通している方、募集しています。
白泉社・ヤングアニマル編集部 大野木貴史
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