堀北真希:悪女役に「悩んだ」 「白夜行」TIFF舞台あいさつ

第23回東京国際映画祭で上映された「白夜行」舞台あいさつに登場した堀北真希さん
1 / 1
第23回東京国際映画祭で上映された「白夜行」舞台あいさつに登場した堀北真希さん

 アジア最大級の映画祭「第23回東京国際映画祭」3日目の25日、特別招待で上映された映画「白夜行」(深川栄洋監督)の舞台あいさつに、主演の堀北真希さんらが登場した。自分の手を汚さずに周囲の人間を不幸に陥れる悪女・雪穂を演じた堀北さんは、「原作を読んで雪穂のイメージがあったんですが、どうやって役に近づいたらいいのか分からなかった。悪女ですが、一見好感が持てるところもあって、悩みましたが、挑戦と思って頑張りました」と演技の苦労を語った。男性を魅了する気持ちを聞かれると、堀北さんは悩みながらも「その場の空気を自分のぺースにしていくように気を付けました」と答えていた。 

ウナギノボリ

 「白夜行」は、180万部以上を発行した東野圭吾さんの長編ミステリーが原作。05年に舞台化され、06年にはTBS系で綾瀬はるかさんと山田孝之さんの主演でドラマ化された。映画は、大阪の質屋の店主殺害事件で、何人も容疑者が捜査線上に浮かぶが、決定的な証拠がないまま、容疑者の自殺で一応の解決となる。だが、担当の笹垣刑事(船越英一郎さん)だけは、暗い目をした美しい容疑者の娘雪穂と物静かな被害者の息子亮司の姿が印象深く残っていた。やがて、成長した雪穂(堀北さん)と亮司(高良健吾さん)の周囲に、不可解な事件が立て続けに起こる……というストーリー。

 舞台あいさつには、高良さんと船越さんも登場。「クランクアップが本当にうれしかった」と明かすほど演技がつらかったという高良さんは「僕の役は、人として死んでなきゃいけないと思ったんですが、監督が『もっと人間として悩もう、人間を見せよう』と言ってくれたから、僕が思っていた芝居より上のリアルな演技ができたし、監督もそれを認めてくれた」と深川監督に感謝していた。船越さんは「この映画、救いがありませんが、皆さんは必ず映画が見せなかった光を感じ取ってくれるはず。心の扉を開けて、見るのではなく感じてほしい」と力強く語った。

 深川監督は「いろんな方たちが挑戦した東野さんの原作を、もう一人の深川という作家が、僕の切り口で『白夜行』を見せたらどうなるかに挑戦した。笹垣刑事が僕のまなざしです。それを大切にするにはどういう見せ方があるのか、まなざしが規範になっています。僕のまなざしを楽しんでください」と語っていた。映画は11年1月29日から全国ロードショー予定。(毎日新聞デジタル)

ブック 最新記事