MD松尾のヒット解析:「マリオコレクション」貫禄のトップ 「Move」ほろ苦スタート

PS3の新型コントローラー「プレイステーションMove」
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PS3の新型コントローラー「プレイステーションMove」

 TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さん。バイヤー歴10年以上の松尾さんは、その経験からソフトの特徴に合わせた商品展開を得意としている。ベテランバイヤーが18~24日のヒットの流れを解析し、今後の動きを予想する。

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 ◇先週(18~24日)の結果

 「スーパーマリオコレクション スペシャルパック」(Wii、任天堂)が予想通りトップに立ちました。テレビCMが少なかったにもかかわらず、極端な品切れに悩まされることもなく、想定通りの売れ行きを記録してくれました。2位は「NARUTO−ナルト−疾風伝 ナルティメットストーム2」(Xbox360・PS3、バンダイナムコゲームス)のPS3版。前作の2週間分を発売から4日で売り上げる予想以上のロケットスタートを切りました。美しいグラフィックのおかげでアニメのシチュエーションを疑似体験できます。前作は、子ども時代のキャラクターでしたが、今回は現在活躍中の成長したキャラクターだったという点も売り上げに貢献したのでは。

 「ベヨネッタ」を手がけたプラチナゲームズの三人称視点シューティング(TPS)「ヴァンキッシュ」(Xbox360・PS3、セガ)のPS3版は3位で、ちょっと出遅れた印象。トップ3がすべてアクションで、なおかつ上位2タイトルは人気キャラクターの作品という中では、さすがに新規タイトルの「ヴァンキッシュ」にとっては厳しかったということでしょう。また、10位の「FIFA 11 ワールドクラスサッカー」(PS3、エレクトロニック・アーツ)は品切れ。以前に比べると確実にファンを増やしていることがうかがえます。

 注目のPS3向け体感コントローラー「Move」は、「スターターパック」(SCE)が12位、「ビッグ3ガンシューティング」(バンダイナムコゲームス)が13位と厳しい出足。テレビCMもいろんな時間帯で流されていただけに苦戦といわざるを得ません。ただ、「Move」の登場で、これまでWiiの独壇場だったパーティーゲーム市場に参入できる下地は整ったともいえ、本格的な普及は今後のソフト次第というところでしょうか。

 ◇今週の動き

 トップと予想しているのは人気を集めた協力アクションの強化版「ゴッドイーター バースト」(PSP、バンダイナムコゲームス)。通常版に加え、前作のユーザー向けにデータが引き継げる「アペンド版」を用意。このアペンド版を2100円という驚きの低価格で提供したのはメーカーの大英断といえるでしょう。普通なら2作目は1作の約半分ぐらいまで売り上げが落ちることも珍しくありませんが、本作は値段が安いこともあって前作ユーザーの多くが遊んでくれるのでは。予約も好調で大いに期待しています。2位は「ワールドサッカーウイニングイレブン2011」(PS3・Xbox360、KONAMI)のPS3版か。操作を一新して、プレーの自由度を格段に高めており、これまでのユーザーも新しい気持ちで遊べるはず。その他の新作では「黄金の太陽 漆黒なる夜明け」(DS、任天堂)、「ドリームクラブ ポータブル」(PSP、ディースリー・パブリッシャー)なども注目です。

 ◇ランキングは次の通り(18~24日・TSUTAYA調べ)

1位 スーパーマリオコレクション スペシャルパック(Wii)

2位 NARUTO−ナルト−疾風伝 ナルティメットストーム2(PS3)

3位 ヴァンキッシュ(PS3)

4位 ロードオブアルカナ(PSP)

5位 ポケットモンスターブラック(DS)

6位 ポケットモンスターホワイト(DS)

7位 メダルオブオナー(PS3)

8位 毛糸のカービィ(Wii)

9位 キングダム ハーツ リコーデッド(DS)

10位 FIFA 11 ワールドクラスサッカー(PS3)

 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約500店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。96年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。02年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩んできた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。 

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