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トイ・ストーリー3:100億円突破のヒット作をBD化 シリーズ誕生の舞台裏は?

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「トイ・ストーリー3」のメーンカット (C)Disney/Pixar

 今夏最大のヒットとなったディズニー/ピクサーの劇場版アニメ「トイ・ストーリー3」(リー・アンクリッチ監督)のブルーレイ(BD)が3日に発売された。シリーズ誕生から15年、少年から大人になったアンディとウッディらおもちゃたちのほろ苦い感動のストーリーと、進化した3DCGで描かれるポップなキャラクターたちをBDの高精細映像でじっくりと楽しめる。ディズニー/ピクサーが「トイ・ストーリー3」を生み出した背景や3DCGの高精細画像で描かれたキャラクターたちの横顔を紹介しよう。(毎日新聞デジタル)

 ◇シリーズ3作目、15年目の“大きなストーリー”

 「トイ・ストーリー3」はディズニー/ピクサーが手がけた11作目の長編アニメーション映画だ。日本では7月10日に公開され、公開52日目の7月30日に興行収入が100億円を突破した。同スタジオが初めて手がけた長編アニメが95年の「トイ・ストーリー」で、99年に続編の「トイ・ストーリー2」が作られた。少年アンディのおもちゃたちが、人間の見ていないところで動き回って大冒険するというストーリーと、カウボーイ人形のウッディやスペースレンジャーのバズ・ライトイヤーといったおもちゃたちの生き生きと動く初のフルCGで、世界的に大ヒットした。

 「3」では、アンディが大学進学を控え実家を離れることになり、ウッディ以外のおもちゃたちは、ひょんなことから保育園に寄付されてしまう。ウッディはアンディの家に帰ろうと説得するが、バズたちは「子供と遊べる」と大はしゃぎ。だが、そこは乱暴な子供たちが集まる「おもちゃの地獄」だった。果たしてウッディは仲間たちと家に帰れるのか……というストーリー。

 「トイ・ストーリー3」を製作したピクサー・アニメーション・スタジオの前身は、「スター・ウォーズ」シリーズで知られるジョージ・ルーカス監督の「ルーカス・フィルム」のグラフィック部門だ。ルーカス監督は79年、コンピューター・エンジニアのエド・キャットムルと出会い、ルーカス・フィルムに招いてグラフィック部門を設けた。キャットムルはアニメーションの製作や特殊効果の開発に携わり、86年にルーカス監督が同部門をアップル社の創設者の1人、スティーブ・ジョブスに1000万ドル(約10億円)で売却。カリフォルニア州に「ピクサー」のスタジオが誕生した。

 当初のスタッフは5人。それぞれが短編映画を作りながらソフトウエアも作り、ストーリーも書いた。最初の短編映画はランプの親子の物語「ルクソーJr.」だった。この作品は同年の「シーグラフ」(世界最大のコンピューターグラフィクスの国際会議)でプレミア上映され、その後ランプのキャラクターはスタジオのマスコットキャラクターになった。その後06年にディズニーがピクサーを買収し、傘下に収めた。

 ディズニー/ピクサーのストーリー作りはグループディスカッションで決まる。「3」のストーリー作りでは、1作目のアイデアが生まれた米サンフランシスコ郊外のトマレス・ベイの小屋にスタッフが集まり、構想会議が開かれた。1作目を超える続編はごくわずか。3作目となるとほんの一握りだ。アンクリッチ監督は、唯一思い浮かんだ「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」のように3部作の大きなストーリーの3作目という構想を思いついた。そこで、前作、前々作と同じだけの時を経た物語として、アンディが成長して大人になるアイデアや、おもちゃが保育園送りになる話、バズが初期設定されてしまう発想が生まれたという。また、シリーズを通して、友情の大切さやきずな、努力すれば夢はかなうといった普遍的なテーマを扱っており、これが多くの人々の心をとらえて世界的なヒットにつながった要因だといえる。

 ◇ウッディ、バズ…おなじみの面々に 初のぬいぐるみロッツォ バービーの恋人ケンも

 「ディズニー/ピクサー」は製作に当たって、キャラクター設定とストーリーを重要視している。「トイ・ストーリー」の主なキャラクターは、1作目を手がけたジョン・ラセターが子供時代に遊んでいたおもちゃをヒントに生み出された。

 ラセターが子供のころに遊んだ「おばけのキャスパー」の人形がモデルとなったというウッディは、カウボーイハットと胸には保安官バッジ、アンディの“最高の友だち”であることを誇りにしている。「あんたはオレの相棒だぜ!」という決めぜりふでおもちゃ仲間を引っ張るリーダーだ。バズは、レーザー光線が飛び出す翼を武器に、悪の帝王ザーグの侵略から銀河を守るスペースレンジャーと思い込んでいて、「無限のかなたへ、さあ行くぞ!」のかけ声とともに空を飛ぼうとしたり……というちょっぴり天然なヒーローだ。

 すぐにバラバラになってしまうジャガイモ探偵のミスター・ポテトヘッド、ウッディーが主人公のテレビ「ウッディのラウンドアップ」で共演していたカウガール人形のジェシーと西部一の俊足を誇る愛馬ブルズアイ、ピンク色のブタの貯金箱ハム、おなかがバネになっている犬のおもちゃスリンキー・ドッグ、心優しい恐竜のおもちゃレックスなどの仲間たち。「ピザ・プラネット」店内のクレーンゲームの景品だった緑色の体に三つ目のエイリアンは1作目で大量に登場し、グッズも大人気。「1」から15年がたち、映像技術も進化する中で、あえて違和感を持たれないような造形と設定で描かれた。

 「3」で新たに登場したおもちゃも、バックストーリーをしっかり作り、本物の俳優のように役作りをしている。特に悪役キャラ、イチゴの香りのするクマのぬいぐるみ「ロッツォ・ハグベア」は、スタジオ初の動物のぬいぐるみキャラで、さまざまな過去を経て保育園のボスとなった姿は、しわのより方や全身のねじれ方などの細部まで研究してリアルに描かれている。さらに、スタイル抜群のアイドル・バービーの恋人のケンが登場。バービーの“添え物”だという自身の立場に気づき、努力してファッションの達人になってしまったという涙ぐましいエピソードを持ち、トイ・ストーリーファンのみならず、バービーファンにも見逃せない。

 ◇BDならでは高精細映像で隠れキャラもじっくり

 デジタル上映技術が進化しているが、やはり家庭用フルHDテレビでBDを再生する方が画質的には圧倒的に上回るので、ディズニー/ピクサーが総力を上げた3DCGは、BDの高精細画質で楽しみたい。しかも、「3」には、「トイ・ストーリー」以来、ディズニー/ピクサーの長編すべてに出てくる「ピザ・プラネット」のトラックや、彼らがリスペクトする宮崎駿監督のトトロも登場、アンディの隣の家の悪ガキ、シドが成長した姿でカメオ出演していたり、アンディの部屋の地図にピンが刺されている場所はスタッフのふるさとだったり……という“トリビア”や“隠れキャラ”を繰り返し見て探すのも、BDだからこその楽しみだ。

 ◇志向に合わせて6タイプ

 3日に発売されたBDは5タイプ。▽「スーパーセット」(ブルーレイ2枚、DVD1枚、デジタルコピーディスク、4935円)▽「ブルーレイ+DVDセット」(ブルーレイ1枚、DVD1枚の2枚セット、3990円)▽「DVD+ブルーレイセット」(DVD1枚、ブルーレイ1枚の2枚セット。3990円)▽「コレクターズ・ボックス」(ブルーレイ2枚、DVD1枚、徳間書店刊「THE ART OF トイ・ストーリー3」、LEDライト付き「ルクソーJr.ランプオリジナル・オブジェ、3000セット限定、2万790円)▽「ブルーレイ・トリロジー・セット」(1~3作目のBDセット、12月末までの期間限定出荷、9975円)。DVDのみの廉価版(12月1日発売、3360円、レンタルは11月3日スタート)を合わせると6タイプで発売。 

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