アキバ中古ゲーム市況:キャンペーン効果で「けいおん!」V2 リメーク「タクティクスオウガ」に注目

 東京・秋葉原などで中古ゲームやDVDを販売する「TRADER(トレーダー)」の家庭用ゲーム部門責任者を務める小林俊一さん。1日のうちに価格がめまぐるしく変動する激戦区を見つめる小林さんに、4~10日の集計を基に、中古市場の今を語ってもらいます。

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 新作タイトルはほとんどありませんでしたが、「ラジアントヒストリア」(DS、アトラス)が思いのほか健闘したようです。中古市場は「けいおん!放課後ライブ!!」(PSP、セガ)が前週に引き続き首位をキープ。ローソンで「けいおん!!」のキャンペーンが行われていることも売り上げに貢献したとみています。2位は「ヴァンキッシュ」(PS3、セガ)。新品市場で値下げされたこともありましたが、中古市場では引き続き好調。高値を維持したまま高回転しています。

 今週は「タクティクスオウガ 運命の輪」(PSP、スクウェア・エニックス)に注目。スーパーファミコンで人気を集めた名作シミュレーションのリメーク版で、特典で作品の世界観を反映したタロットカードが付くのもポイント。ただ、当時を知っている30代のユーザーにとって魅力的な作品なのは確かですが、20代以下の新規ユーザーへどのくらいその魅力が伝わっているかは未知数。特典のタロットカードがなくなってからが勝負でしょう。

 2番手は「ゴッド・オブ・ウォー 降誕の刻印」(PSP、SCE)と予想していますが、値下げも早いシリーズだけに今回も警戒。作品としての出来はいつも素晴らしく、プレーしたユーザーの評価も高いのですが、新規ユーザーが手を出さないもったいないシリーズです。DSは「とんがりボウシと魔法のお店」(KONAMI)、「たまごっちのなりきりチャレンジ」(バンダイナムコゲームス)、「こえであそぼう ハートキャッチプリキュア」(東映アニメーション)など女児向けタイトルばかりですが、いずれもクリスマス商戦の有力タイトルとして年末までじわじわ売れていきそうです。

 ◇中古ランキングは次の通り(4~10日・トレーダー調べ)

1位 けいおん!放課後ライブ!!(PSP)

2位 ヴァンキッシュ(PS3)

3位 ワールドサッカー ウイニングイレブン 2011(PS3)

4位 ポケットモンスター ブラック(DS)

5位 レッドデッドリデンプション(PS3)

6位 英雄伝説 零の軌跡(PSP)

7位 ポケットモンスター ホワイト(DS)

8位 NARUTO−ナルト−疾風伝 ナルティメットストーム2(PS3)

9位 アナザーセンチュリーズエピソード:R(PS3)

10位 アマガミ(PS2)

 ◇プロフィル

 小林俊一(こばやし・しゅんいち) 中古ゲームショップ「トレーダー」家庭用ゲーム部門責任者

 中古専門店「トレーダー」設立時からの古参社員で、秋葉原・新宿店の家庭用ゲームすべての価格設定などを担当。ゲームの販売・仕入れ・卸などゲーム流通業界一筋で、趣味と経験を生かして、オールドゲームから海外ゲームまで精通している。

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