注目映画紹介:「ゲゲゲの女房」 クドカン、吹石で映画版 夫婦になるまでの創世記つづる

「ゲゲゲの女房」の一場面。(C)2010水木プロダクション/「ゲゲゲの女房」製作委員会
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「ゲゲゲの女房」の一場面。(C)2010水木プロダクション/「ゲゲゲの女房」製作委員会

 「ゲゲゲ」ブームを作り、好評のうちに終わったNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の映画版が20日から公開される。ドラマは、マンガ家・水木しげるさんとその妻・布枝さんの悲喜こもごもの夫婦生活と、2人をとりまく人々の人情ドラマを子供時代から年を取るまで描いていたが、映画版は、見合いからわずか5日で結婚した2人が、夫婦になるまでの“創世期”をつづった。どちらも発行部数50万部を突破した布枝さんの自伝エッセーが原案だが、映画はドラマとはまた違った味わいが楽しめる。

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 見合いから5日でしげる(宮藤官九郎さん)と結婚した布枝(吹石一恵さん)。しげるが描いた妖怪漫画は売れず極貧生活が続く。それでもひたすら漫画を描き続けるしげる。そんな彼の背中を見ているうちに、途方に暮れていてた布枝にも、やがてある種の覚悟が芽生え始める……という物語。

 人気マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」の生みの親の水木さんと、彼を支えた布枝さん。もちろん主人公はこの夫婦だが、同時に、戦後の昭和という時代をたくましく生きてきた当時の夫婦たちを描いた普遍的な作品でもある。

 しげるを演じるのは人気脚本家の宮藤さん。飄々(ひょうひょう)とした風貌から人間味がにじみ出し、まさにハマり役だ。布枝を演じる吹石さんは、極貧生活の中でも豊かな心を失わなかった賢妻ぶりを見事に表現してみせる。

 小豆洗いやぬらりひょんといった妖怪たちもアニメーションで登場する。彼らとの“共演”も心憎い演出だ。メガホンをとったのは「私は猫ストーカー」で長編監督デビューした鈴木卓爾監督。20日からヒューマントラストシネマ有楽町(東京都千代田区)ほか全国で公開。(毎日新聞デジタル)

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