坂本龍一:正しい「シェー」を披露 大貫妙子とのアルバム「UTAU」ツアー

昭和女子大学人見記念講堂でコンサートを開いた坂本龍一さん(左)と大貫妙子さん
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昭和女子大学人見記念講堂でコンサートを開いた坂本龍一さん(左)と大貫妙子さん

 シンガー・ソングライターの大貫妙子さんと世界的ミュージシャンの坂本龍一さんの13年ぶりのコラボレーションアルバム「UTAU」の全国ツアー「A PROJECT OF TAEKO ONUKI & RYUICHI SAKAMOTO UTAU TOUR 2010」の公演を22日、昭和女子大学人見記念講堂(東京都世田谷区)で開いた。坂本さんは、大貫さんとの話の流れで、谷啓さんの「ガチョーン」や赤塚不二夫さんのマンガ「おそ松くん」の「シェー」ポーズでリアクションした後、「シェーは間違えて伝えられている。(頭上の)手は丸めるんじゃなくて、まっすぐなんです」とと突如ピアノから立ち、観客に正しい「シェー」ポーズを披露。落ち着いた楽曲が続き、ひそやかだった会場のムードが一転、大きな笑いが起こった。

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 坂本さんは「僕はバカ田大学の卒業生なんです」と赤塚さんへの思いを語り、大貫さんのレコーディングの話題になると、「僕がペーペーのころにね」と前置きし、坂本さんがスタジオミュージシャンとして活動していた時代に、中島みゆきさんのレコーディングの歌入れで、中島さんが感極まって号泣していたというエピソードも明かした。

 10日に発表された2人の新作「UTAU」は、「音楽の持っている力」を礎に、「UTA(うた)」を追求したアルバムで、坂本さんの楽曲に大貫さんが歌詞をつけて制作。ツアーは8日からスタートした。

 この日のコンサートでは、スペイン語を交え、退廃的なムードで歌った「TANGO」や、奥田民生さん作詞、坂本美雨さんがオリジナルで歌った「鉄道員」などアルバムから15曲を披露した。2人は70年代半ばから音楽の共同作業を始めており、大貫さんは「(坂本さんの楽曲を)ずっと聞いていると、映像のようなものが浮かんできて、そこから歌詞をつけるんです」と、作詞の過程を明かした。また、アンコールでは、坂本さんの「戦場のメリークリスマス」、大貫さんの「色彩都市」と、それぞれの代表曲が演奏され、会場は大きな拍手に包まれた。

 公演は、25、26の両日が大阪、28日・名古屋、30日・長崎、12月2日・福岡、4日・広島、5日・岡山、7日・愛知県刈谷市、10、11の両日は東京、16日・埼玉県川口市、19日・仙台、22日・札幌の全国11カ所で開く。チケットも発売中(東京公演は売り切れ)で、公演の詳細は公式サイト(http://www.skmtcommmons.com/tour/index.html)で。WOWOWでは12月11日、東京国際フォーラムでの公演を独占生中継する。坂本さんにとって、坂本龍一名義では自身初の生中継となる。午後4時から。(毎日新聞デジタル)

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