とある魔術の禁書目録:作者・鎌池和馬さん「大切なのは読後感」

鎌池さんが大変だったと語る「とある魔術の禁書目録」4巻
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鎌池さんが大変だったと語る「とある魔術の禁書目録」4巻

 10年9月からテレビアニメが放送中で、シリーズ計1000万部を突破したライトノベル「とある魔術の禁書目録」。作者の鎌池和馬さんに作品の魅力、心がけていることを聞いた。

ウナギノボリ

 −−作品の見どころは?

 魔術と科学、二つの世界観が激突するところや、そんな中で問題解決のために戦い続ける主人公などです。

 −−作品の構想を思い付いたきっかけは?

 最初はインデックス、次に助ける役の上条、そこから上条の活躍する学園都市……と広げていった気がします。

 −−個性的なキャラが次々と登場します。話を作るのも大変では?

 基本的には、お話とヒロインはワンセットで扱っていると思いますので、どちらか片方ができれば、もう片方も自然と組み上がりますよ。

 −−作品を描くときに最も大切にしていることは?

 「読後感」とかでしょうか。(ライトノベルを読むことは)お菓子を食べるのと同じで、生きるために必要なものを補給する……といった行為ではありませんので、こういうあいまいな、感情面でのみ充足を与える部分が重要だと思います。

 −−今だから明かせる創作時の苦労や笑える失敗談は?

 4巻の「入れ替わり」です。誰がどう入れ替わり、入れ替わった人から見ると、世界はどのように映るか、といったチェックがとにかく大変でした。

 −−自身の作品がアニメされ、それを視聴したときの気持ちは?

 もちろん自分の作ったキャラが動いているのを見たときはうれしかったです。背景や小物など設定をたくさん作っていただいたようで、やっぱり(アニメで)「動かす」のは大変なんだなあと思いました。

 −−ファンにメッセージをお願いします。

 いろいろとゴチャゴチャしている作品ですが、そのゴチャゴチャしたものの中の一つでも、皆様の琴線に触れるものがあれば……と願っています。

 ◇プロフィル

かまち・かずま=04年にライトノベル「とある魔術の禁書目録」でデビュー。同書は6年でシリーズ1000万部を突破、電撃文庫(アスキー・メディアワークス)の看板作家になる。他の代表作に「ヘヴィーオブジェクト」。

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