注目映画紹介:「きみがくれた未来」 ザック・エフロン主演 兄弟の魂の交流を描くヒューマン作

「きみがくれた未来」の一場面 (C)2010 Universal Pictures.ALL RIGHTS RESERED.
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「きみがくれた未来」の一場面 (C)2010 Universal Pictures.ALL RIGHTS RESERED.

 「ディズニー・チャンネル」で放送された米国の大ヒットドラマ「ハイスクール・ミュージカル」シリーズでブレークしたザック・エフロンさんの主演映画「きみがくれた未来」(バー・スティアーズ監督)が全国で公開中だ。愛する弟を失った青年が、新たな出会いによって魂を再生させていくヒューマンファンタジー。エフロンさんはスティアーズ監督と「セブンティーン・アゲイン」(09年)に続いて2度目のタッグとなる。

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 エフロンさんが演じるのは、高校を卒業し、名門大学への進学が決まっていた青年チャーリー。ところが、自分が運転する車が事故に遭い、11歳の弟サム(チャーリー・ターハンさん)が死んでしまう。自責の念にかられる彼の前に現れたのは、サムの亡霊だった。夕暮れどきに、サムのキャッチボールの相手をするのが日課となったチャーリーは進学をあきらめ、事故から5年たっても、その日課のためにサムが眠る墓地の管理人としての生活を続けていた……。

 弟の死後、彼を愛するあまり”墓守”として生きる兄と、そんな兄と過ごすときを心待ちにし、いまだこの世に別れを告げられない弟。そんな2人の魂の交流とともに、チャーリーが高校時代の同級生テス(アマンダ・クルーさん)との愛を通して、悲しみから立ち直り、新たな一歩を踏み出すまでを描いた。ヒューマンドラマが途中で“ゴーストもの”めいた話になるのはいただけないが、愛する人の思い出はいつまでも心の中で生き続けるのだから、生きている人間は自分の人生をきちんと生きるべきだ、というメッセージは伝わってくる。

 チャーリーとサムの母親役でキム・ベイシンガーさんが出演。チャーリーの人生に影響を与える救急救命士役でレイ・リオッタさんも出演している。2人のベテランの出番がもう少し多ければ、作品に深みが増しただろうにと、少々残念に感じた。TOHOシネマズみゆき座(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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