アキバ中古ゲーム市況：年末年始はPSP一色　“DS最後？のRPG”「サガ3」に注目

　東京・秋葉原などで中古ゲームやDVDを販売する「TRADER（トレーダー）」の家庭用ゲーム部門責任者を務める小林俊一さん。1日のうちに価格がめまぐるしく変動する激戦区を見つめる小林さんに、12月23日～1月5日の集計を基に、中古市場の今を語ってもらいます。

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　年末年始もアキバは元気でした。コミケ帰りのお客さんでにぎわう年末に加えて、今年は例年に比べて正月以降の人出も多かった印象です。「モンスターハンターポータブル 3rd」（PSP、カプコン）の人気はすごかったですが、さすがに落ち着いてきた印象。それよりもPSP本体を求めるお客さんが多く、まさにPSP一色の展開だったといえるのでは。

　新作では、人気アイドルグループのAKB48を起用した恋愛アドベンチャー「AKB1/48　アイドルと恋したら…」（PSP、バンダイナムコゲームス）の勢いがすごく、新品市場では品切れするほどでした。生写真目当てに熱心なファンが複数本買うと予想していたので、中古でダブつくのではと懸念して買い取り価格を抑えていたのですが、あまり買い取りがありませんでした。買い取ったものも、減額を懸念してか生写真付きでの買い取りが多かったですね。「ザ・サード　バースデイ」（同、スクウェア・エニックス）はぼちぼちといったところでしたが、「電脳戦機バーチャロンフォース」（Xbox360、セガ）は通常版が売り切れたようです。限定版はそこまでの勢いではなかったところをみると、単純にゲームを遊びたいというユーザーが予想以上にいたということでしょうか。

　中古市場は、「シャイニング・ハーツ」（セガ）、「モンスターハンターポータブル 3rd」（カプコン）、「タクティクスオウガ　運命の輪」（スクウェア・エニックス）と、トップ3をPSPタイトルが占めました。トップ10内に、据え置き機のソフトは7位の「ガンダム無双3」（PS3、バンダイナムコゲームス）だけで、あとはPSPとニンテンドーDSのソフトが占めています。

　今週の新作はゲームボーイの人気RPGをリメークした「サガ3　時空の覇者」（DS、スクウェア・エニックス）と、「スロッターマニアP　マッハGoGoGo3」（PSP、ドラス）の2本だけ。「サガ3」は、ニンテンドーDS向けの新作RPGとしては最後の作品になりそうなだけに注目していますが、前作がちょっと苦戦したのが不安材料です。

　◇中古ランキングは次の通り（12月23日～1月5日・トレーダー調べ）

1位　シャイニング・ハーツ（PSP）

2位　モンスターハンターポータブル 3rd（PSP）

3位　タクティクスオウガ　運命の輪（PSP）

4位　ポケットモンスターブラック（DS）

5位　けいおん！放課後ライブ！！（PSP）

6位　ポケットモンスターホワイト（DS）

7位　ガンダム無双3（PS3）

8位　スーパーロボット大戦L（DS）

9位　ドラゴンクエスト9（DS）

10位　英雄伝説　零の軌跡（PSP）

　◇プロフィル

　小林俊一（こばやし・しゅんいち）　中古ゲームショップ「トレーダー」家庭用ゲーム部門責任者

　中古専門店「トレーダー」設立時からの古参社員で、秋葉原・新宿店の家庭用ゲームすべての価格設定などを担当。ゲームの販売・仕入れ・卸などゲーム流通業界一筋で、趣味と経験を生かして、オールドゲームから海外ゲームまで精通している。