神田うの:「自然な流れ」でデザイナーに 「喜ぶ人がいるからこそやりがい」

「UNO KANDA」の商品へのこだわりやポリシーについて話した神田うのさん
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「UNO KANDA」の商品へのこだわりやポリシーについて話した神田うのさん

 モデルやタレントとして表舞台で活躍する一方、自身のファッションブランドのデザイナーという顔も持つ神田うのさん。08年に設立したブランド「UNO KANDA」の商品は、10年12月から所属事務所「スペースクラフト」のサイト内にオンラインストアを開設し、全種類が購入できるようになった。「どうしてもデザイナーになりたい!と自分から志願したわけではなくて、自然の流れでこうなった」というデザイナーの仕事に対する神田さんのこだわりや、ポリシーなどを聞いた。(細田尚子/毎日新聞デジタル)

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 神田さんは「UNO KANDA」の商品を全種類、全色、オンラインストアで販売することができないかと、所属事務所のスタッフと相談し、このほど晴れて開設に至った。神田さんの元に届いた「この色はないの?」や「地方に住んでいるため(販売している)百貨店まで買いに行けない」という声に応えたかったという。「喜んでくれる人がいるからこそ、この仕事をしているわけで、それはデザインするときも考えます」という神田さん。使う人のことを一番に考えたデザインは、例えば「(その場にあったクラッチバッグを持ち出し)私の好きなリボンをモチーフにしたデザインで、(あしらう)スワロフスキーの色や大きさまでこだわっています。マチを入れたり、外側の素材にこだわるのはもちろんですが、内側も色や素材などにこだわっています」と胸を張る。

 内側の小さなポケットにはとくにこだわった。「お出かけしてお酒を飲むと指がむくむんですよね。そういうときに指輪を外したいと思う女の子が多いと思うんですけど、外してそのままバッグの中にポンと入れたら、どこに行ったか分かんなくなっちゃう。だから指輪を入れたり、例えば薬やサプリメントを飲む子はピルケース代わりになるように、形を工夫したポケットになっています」という。

 デザインする商品の素材は基本的にレザー(革)が多いが、「オールレザーよりもレーヨンや上質なナイロンをあしらったり。ナイロンバッグって軽くて持ちやすいんですよね。ナイロンバッグの持ち手にレザーをあしらったり。夏は麻やラフィア(ラフィアやしの天然素材)で涼しい感じを出してレザーとコンビにしたり。レザーも牛革だけでなく、ラムスキンやカーフとかスッとした手触りのものから、型押しでザラッとしたものなど、あらゆる面でこだわっています」と労力を費やしてこだわり抜く。

 神田さんは「仕事が好き」でやりがいを感じている。「喜んでもらえると、私がお仕事させていただいた意味があるなと。(自身のウエディングドレスのブランドの)『Scena D’uno(シェーナ・ドゥーノ)』が11年で10周年を迎え、知り合いがこれまでのショーの映像を編集してくれたんですけど、それを見ると、最初からヒョウ柄のドレスで度肝を抜くようなものを作っちゃってる。でも10年前のものがいまだに着られたりしているんですよ。当時は驚かれましたけど、お客さんは付いてきてくれている。改めて、自分の感性を信じて今後もやっていこうと思いました」と決意を新たにした。

 ただ、デザイナーも含めて「お仕事にしがみつくつもりはありません」という神田さん。デザイナーの仕事を始めたのも「グンゼさんのストッキングのCMモデルをやっていて、アドバイスいただけませんか?といわれたので、アドバイスして、その後、デザインしませんか?と依頼が来たという流れでしたので、自分から『デザインをやらせて』って一度も言ったことはないんですね。そのストッキングのデザインを見て、ウエディングドレスメーカーさんが『ドレスもデザインしませんか』と話が来たので……。全部人との出会いだったんです」と自然な流れだった。だから「もし、私がデザインしたものがダサいとか、終わっているとなったら、そのときは潔くやめます。だって、だって喜ぶ人がいなければ、やっても意味がないわけですから」と、あくまでユーザーのことを一番に考えている。

 「私はバレリーナになりたかったので、スカウトされてモデルになったのもタレントやデザイナーの仕事を始めたのも人との出会いによる自然な流れだった」と振り返る。「これまでの出会いはすごく感謝してますし、もし私が引退して海外に永住するとか言い出さない限り、これからも同じようにきっといい出会いがあって、次のことをやっているんでしょうね」と前向きに語った。

 次回は、年女の神田さんが「趣味」という8回行っている結婚式や自身の性格、今後について聞いた。

 <プロフィル>

 1975年3月28日生まれ、神奈川県出身。5歳のころからクラシックバレエを始め、90年に東京新聞バレエコンクールで入賞、92年に中部全日本バレエコンクール・ジュニア部門で1位、東京全日本バレエコンクールに入賞するなど輝かしい受賞歴を誇る。14歳でモデルデビューし、17歳で「プチセブン」(小学館)のモデルに。19歳のころから「学校では教えてくれないこと!!」や「笑っていいとも!」などのバラエティー番組やドラマ、映画などに出演。タレントや女優として活動する一方で、01年からはストッキング、ランジェリー、和洋ウエディングドレス、振り袖、ジュエリーなどのデザイナーとして活躍。中でも自身がデザインしたグンゼのストッキングが大当たりした。08年9月から自身のブランド「UNO KANDA」を全国の百貨店で展開し、バッグや財布、パスケース、日傘などのアイテムを販売している。10年12月から所属事務所「スペースクラフト」のサイト内で「UNO KANDA」の通販サイトがオープンし、10年秋冬(AW)コレクションからの全種類、全色が購入できるようになった。07年10月に結婚。これまでに8回結婚式を挙げている。

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