1月27日、新型PSPの発表が行われました。当初の開発コードネームとは異なり、「ネクストジェネレーション・ポータブル(NGP)」という名称での発表でした。2月25日発売予定の「ニンテンドー3DS」が、アイドルグループ「嵐」を起用したテレビコマーシャルを投入、アピールする中での発表で、3DSへのけん制とも取れます。
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読者の皆さんは、それぞれのお考えをお持ちのことと思いますが、私自身は任天堂とSCEの考え方、立ち位置の違いを踏まえて述べてみましょう。高スペックやスタイルを中心に語ればSCE(NGP)サイドに軍配が上がります。しかし、スペックで勝敗が決まるのはツールであり、エンタメの世界では結果が伴わないことが多々あります。
PSP-3000から約3年ぶり、初代PSPから7年ぶりの市場投入ですが、その間に市場環境はずいぶん変わりました。充実したアプリ機能を搭載した米アップルの「iPhone(アイフォーン)」はもちろんのこと、NTTドコモなどの携帯各社もスマートフォン、タブレット型端末を続々と導入しています。もはや携帯ゲーム機と携帯電話は、単純に通話機能の有無でしか差別化ができなくなっています。
今回の「NGP」の売りは盛りだくさんの新機能で、ゲームハードとして初の3G携帯電話回線に対応、イン・アウトカメラ機能、位置情報などの履歴通信サービス、ジャイロセンサー、タッチパネル機能、マイクロアナログスティック……。ですが、ここまで来ると「だったらスマートフォンでいいじゃん」という印象もあります。また(PSPのメディア)UMDがなくなったことで、このままでは現行のUMDは使えません。一方、画面の解像度スペックは従来機の4倍に達しており、その美しさには会場でも歓声が漏れたほどですが、それらを実現するための製造価格に連動して上がります。「一体いくらで売るのか?」「いくらなら買いなのか」というスレッドが、インターネットでは激論になっています。
ゲーム機の機能に注目が集まりますが、ゲームソフトも重要なポイントです。国内のほとんどのパブリッシャーが参入を表明しており、ラインアップは期待できます。現段階では、今回も「モンスターハンター」が、NGPの販売動向を左右するソフトになるでしょう。
会見では、他にも名だたるゲームクリエーターが登場し、参加を表明しました。中でも気になったのはコナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫監督の「リビングではPS3と大画面モニターでゲームをプレーし、外出先ではNGPでその続きをプレー、そして家に帰るとPS3でその続きを……」という話です。確かに「PS3」に限らず、ユーザーの据え置きのゲーム機離れに一石を投じることのできる連動型ハードというのは、ゲーム業界としては新しい施策ですが、半面「NGP1台でいいじゃん」というムードにも取って代わられる可能性があります。そして気になるのはPS3が「何でもできるが、何もできないマルチメディアハード」という状況になっていることです。
最新技術の3D(立体視)を取り込んだものの「枯れた技術の水平展開」を標榜する任天堂と、一方ハードスペック至上主義のソニー。その対決は「何がユーザーに求められているのか」という視点で見たほうが興味深い考察ができるでしょう。
著者プロフィル
くろかわ・ふみお=60年、東京都生まれ。音楽ビジネス、映画・映像ビジネス、ゲームソフトビジネス、オンラインコンテンツ、そしてカードゲームビジネスなどエンターテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。ブログ「黒川文雄の『帰ってきた!大江戸デジタル走査線』」(http://blog.livedoor.jp/kurokawa_fumio/)も更新中。
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