はじめの1巻:「ピーチ・オン・ザ・ビーチ」 サーフィンを通じた恋と成長の物語 胸キュンも

原鮎美さんのラブコメ「ピーチ・オン・ザ・ビーチ」1巻の表紙
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原鮎美さんのラブコメ「ピーチ・オン・ザ・ビーチ」1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は「フェローズ」(エンターブレイン)で連載、すご腕の女サーファーにあこがれてサーフィンを始めた大学生の日々を描いた原鮎美さんのラブコメ「ピーチ・オン・ザ・ビーチ」です。

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 平凡な大学生のナオトは、すご腕の女サーファー・桃子と出会い、声をかけるがまったく相手にされず、悔しくて出た言葉が「あんたよりうまくなる」だった。それまでは何をやっても続かなかったナオトだが、毎日海に通うなど打ち込む。そして桃子と同じアルバイトをするようになり、海の上とは違う彼女の一面を知るようになる……というストーリーだ。

 ◇フェローズ編集部 岩田佳奈子さん 「若いときに一歩踏み出したらどうなるか」

 原鮎美さんは読み切り作品で「胸キュン」描写が支持され、初連載「ピーチ・オン・ザ・ビーチ」の開始となりました。

 主人公・ナオトと、ヒロイン・桃子、サーフィンを通じて集う個性豊かな仲間たち。この作品は恋とスポーツを題材にした王道の青春ストーリーです。主人公のナオトは平凡な若者ですが、サーフィンを始めることによって、知らなかった世界を知り、どんどん世界が広がっていく。恋も始まっていく。成長物語でもあるこの作品の始まりは、原さんが「若いときって一歩踏み出せなかったことありません? そういうとき、一歩踏み出したらどうなるかって描いてみたいんです」と言ったことからでした。確かにきっかけがなくて動かなかったことがあるな、と私も思ったのです。「これは、多くの人に共感してもらえるテーマかもしれない!」と思い、連載に至りました。

 登場人物たちに、特別な何かはなく、みんなどこかにいそうな若者なんです。それは、10代、20代の登場人物たちに近い読者には等身大に、30代くらいからの読者にはノスタルジーを感じてもらえたら、という思いがあるからです。原さんお得意の「胸キュン」と、熱心に取材をした上で描かれるサーフィン描写にもご注目ください!

 ◇書店員の推薦文 鹿児島・ひょうたん書店の筒口征洋さん「ねたみよりもさわやかさ感じる」

 海とサーフィンと女の子と、頼もしい仲間たちにオシャレなバイト先。自分の学生時代にはなかったものばかりでうらやましい限りですが、ねたみよりもさわやかさをいっぱいに感じました。ナオトくんはいい男なのにちょっとアホだし、桃子さんもかわいいのに少し変だったりとスキがあるため、嫌みのないお似合いのカップルとして見守っていたくなるんです。王道で健全な青春ラブコメですが、むしろ今ではこれが新鮮でまぶしくて、やっぱりこういうのにあこがれるなあ……と認めざるをえませんね。

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