杏:坂東三津五郎と大坂城談議 浅井3姉妹に自分を重ね「ここまで時代に翻弄されるのか…」

「日本の城ミステリー紀行」の大坂城の回で対談する杏さん(左)と坂東三津五郎さん=BS朝日提供 
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「日本の城ミステリー紀行」の大坂城の回で対談する杏さん(左)と坂東三津五郎さん=BS朝日提供 

 「歴女」として知られるモデルで女優の杏さん(24)が、歌舞伎俳優・坂東三津五郎さん(55)がナビゲーターを務めるBS朝日の番組「日本の城ミステリー紀行」(毎週金曜午後10時~10時54分)の「大坂城」を扱う11日の放送に特別ゲストとして出演する。三津五郎さんの次女が、杏さんの兄で俳優の渡辺大さんと小学生時代からの同級生で、三津五郎さんと大さんは06年のNHK大河ドラマ「功名が辻」で共演するなど縁が深く、三津五郎さんは「城を一緒に見に行くなら杏さんは理想的で、城に関しての知識もあるし、共通の話題やテンポ、雰囲気など変な気を使わなくていいし……」と収録は終始和やかなムードで進んだという。 

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 11日の同番組は「秀吉・家康 2つの大坂城 戦乱の女たちの宿命」と題して放送する。大阪城には2人の天下人「豊臣秀吉」「徳川家康」のドラマがあった。番組は大阪城をめぐって権力を誇示しあった戦国武将と女たちの宿命をテーマにしている。

 現在の大阪城の天守は3代目で、初代は秀吉が作った黒漆に金張りのもので「大坂夏の陣」で炎上、焼失した。2代目は徳川氏が建てた白亜の天守で、豊臣時代より高く大きい。これは落雷により失われ、現在の天守は1931年に建てられたコンクリート製のもので、デザインは初代と2代目を混在させた。天守は平成の大改修を経て、現在では上層部の装飾も華麗な輝きを取り戻している。

 秀吉は権威の象徴として15年をかけて、二重の堀、高さ30メートルの石垣という難攻不落の巨城を築城した。秀吉が没し、関ケ原の戦い後、家康は大坂城を攻め立てる。「大坂冬の陣」では城の堅牢(けんろう)さを武器に秀吉の側室・淀殿は籠城(ろうじょう)戦を選び、攻め込みやすい南側には真田幸村が出城(真田丸)を築き、家康も突破できなかった。和睦工作に出た家康は、和睦の条件として外堀を埋めることを進言。了承した豊臣側だが、家康は内堀まで埋めてしまい大坂城を丸裸にし、「大坂夏の陣」で大坂城は陥落した。豊臣家は滅亡し、大坂城は炎上、灰燼(かいじん)に帰す。なぜ、豊臣側は単純な手にかかってしまったのか?

 また大坂の陣を巡っては、浅井長政と信長の妹のお市の方の間に生まれた3姉妹、淀殿(茶々)、初、江、そして江の娘・千姫が、悲劇のドラマを繰り広げる。最後まで豊臣を守るために戦い、大坂城の中で秀頼と自害した淀殿、豊臣と徳川の和平のために奔走した初、姉・淀殿の無事を祈り続ける徳川秀忠の妻・江、夫・豊臣秀頼と別れ、落城する大坂城から救出される江の娘、千姫……など番組では、放送中のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国」で注目を集める浅井3姉妹を中心に、大坂城を巡って数奇な運命をたどる戦国時代の女たちの生きざまに迫る。

 杏さんは3姉妹に対して「これだけのビッグネームが名を連ねている(戦国の)時代背景で、さらに歴史の舞台にこれだけ女性がでてくるのもめずらしいと思う。姉の気持ち、母の気持ち、妹の気持ちは、(現代も)普遍的だと思うし、そのはざまで揺れ動いていたのかな。この時代、政治と血縁関係は切っても切れないけれども、血縁関係があったとしても、敵味方に分かれる……心中察すると想像ができないくらいのつらさの中で、身をさかれるような思いだったのでは」と戦国時代の女性たちへ思いをはせた。 

 三津五郎さんに「この時代にもし生きていたら?」とふられると、杏さんは3姉妹に自分を重ね、「世が世なら幸せに暮らしていたのかもしれないだろうに……と思いますね。ドラマチックといえば安っぽく聞こえてしまうけど、ここまで(時代に)翻弄(ほんろう)されてしまうのか……と思うと心苦しくなると思います」と答えた。杏さんが出演する「秀吉・家康 2つの大坂城 戦乱の女たちの宿命」の回は11日午後10時~10時54分に放送。(毎日新聞デジタル)

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