息もできない:ヤン・イクチュン監督が再来日し熱くPR 毎映コン「外国映画ベストワン」受賞

舞台あいさつをするヤン・イクチュン監督
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舞台あいさつをするヤン・イクチュン監督

 8日に表彰式が行われた「第65回毎日映画コンクール」で外国映画ベストワン賞を受賞した韓国映画「息もできない」のヤン・イクチュン監督がこのほど再来日し、東京都内でアンコール上映館での舞台あいさつやイベントの合間に、著名人と対談するなど精力的にPR活動を行った。

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 「息もできない」は、ヤン監督が演じる社会の底辺で暮らす取り立て屋サンフンが主人公。ある日、勝ち気な女子高校生ヨニ(キム・コッピさん)と出会う。ともに父親の暴力にさらされた生い立ちを抱えていた。お互い身の上を語ったりはしないのだが、何となく引き寄せられていく……というストーリー。ヤン監督は製作・監督・脚本・編集・主演の5役を務めた。

 韓国では09年4月、日本では10年3月に公開され、09年の「第10回東京フィルメックス」で史上初の最優秀作品賞(グランプリ)と観客賞をダブル受賞し、20日に表彰式が行われる「第84回キネマ旬報ベスト・テン」でも外国映画ベスト・テン第1位とヤン監督が外国映画監督賞と読者選出外国映画監督賞を獲得している。

 3日に来日したヤン監督は、シネマライズ(東京都渋谷区)でアンコール上映最終日の4日に、シネマート新宿(東京都新宿区)と銀座シネパトス(東京都中央区)でアンコール上映初日の5日に、満員の観客の前で舞台あいさつを行った。時折ジョークを交えたり、片言の日本語を使いながら話すヤン監督のサービス精神旺盛な人柄を目の当たりにして、サンフン役とのあまりの違いに多くの観客が驚いていた。タワーレコード新宿店(東京都新宿区)では5日、100人近いファンの前でトークショーとサイン会を行った。

 イベントの合間をぬって著名人との対談も行った。TBSラジオ「ウィークエンド・シャッフル」(毎週土曜午後9時半~深夜0時半に生放送)ではヒップホップグループ「ライムスター」の宇多丸さんと対談。この模様は12日に、特集コーナー「サタデーナイト・ラボ」で放送される。また、ニコニコ動画の生放送で、「冷たい熱帯魚」が公開中の園子温監督と「まったく息もできない」対談を行った。ファンの強い要望があり、同サイトの「エンタジャムチャンネル」にてアーカイブ掲載も予定している。また、公開時に「ぐうの音も出ない傑作」と今作を高く評価した文芸評論家の福田和也さんと対談し、この模様は「週刊朝日」に近日中に掲載予定。さらにヤン監督が尊敬する監督の1人、根岸吉太郎監督と対談し、この模様は「キネマ旬報」に近日中に掲載予定だ。

 映画はシネマート新宿と銀座シネパトスでアンコール上映中。また、11~13日に山口県下関市で開催される「海峡映画祭」にも出品されており、ゲストでヤン監督が参加する予定だ。(毎日新聞デジタル)

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