ブルーリボン賞:主演男優賞の妻夫木聡「うれしいの一言」 作品賞は「告白」

「第53回ブルーリボン賞」授賞式に出席した妻夫木聡さん
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「第53回ブルーリボン賞」授賞式に出席した妻夫木聡さん

 東京映画記者会(在京スポーツ7紙)が選ぶ「第53回ブルーリボン賞」の授賞式が15日、東京都内で行われ、主演男優賞の妻夫木聡さん、主演女優賞の寺島しのぶさん、助演女優賞の木村佳乃さんらが出席。映画「悪人」(李相日監督)での受賞となった妻夫木さんは喜びをかみ締め、「自分でも賞なんて取れると思ってなくて、それ以前にもっともっと自分を役者として見直す部分が必要だなと思って取り組んだので、こうやって認めていただいてすごくうれしい」と笑顔を見せた。

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 妻夫木さんは「今までにない自分を出したいという思いと、この作品を通じて『人間とは何か』『生きるとは何か』といったことに、ちょっとでも触れてもらえたらいいなという思いで作った」と語り、「初めて自分からやりたいと、名乗り出てやらせてもらった作品。いろいろな作品にかかわらせていただいてきましたが、僕の中では特に印象深い作品になりました。この賞がいただけたのも、李監督はじめかかわったスタッフ、キャストのみなさんのお陰。本当にありがとうございました」と充実の表情を浮かべていた。

 ブルーリボン賞は、在京スポーツ新聞7社の映画担当記者で構成される東京映画記者会が制定する映画賞。53回目となる今回は、昨年の主演男優賞を受賞した笑福亭鶴瓶さんと主演女優賞の綾瀬はるかさんが司会を務めた。

 「キャタピラー」(若松孝二監督)で受賞した寺島さんは「本当に信じられないくらいうれしい」と笑顔を見せ、撮影前、撮影中も監督から「宣伝費はないから寺島さんが世界で賞を取って」と言われていたといい、「聞かないようにしていたんですが、プレッシャーがかかっていたのか、高熱やじんましん、悪寒が走ったり、血尿が出たりと毎日大変だった」と振り返った。

 作品賞には松たか子さん主演の「告白」が選ばれ、中島哲也監督は「どうやって作っていいのか悩みながら作った。大ヒットしましたが賛否両論の映画。こういう映画を評価してくださった方の勇気を感じた。選んでいただいて感謝しています」とあいさつした。

 「アウトレイジ」(北野武監督)では間の抜けたヤクザを、「今度は愛妻家」(行定勲監督)ではオカマ役を演じ、助演男優賞に選ばれた石橋蓮司さんは「役者稼業を半世紀以上やってますが、ブルーリボン賞は初めて。ですが、対象となった役がオカマとやくざ……。こうなったら異端の道を突き進んでいくしかないと覚悟しております」と笑わせた。

 新人賞に選ばれた生田斗真さんは、「人間失格」で映画初主演を果たし、ヒット作「ハナミズキ」にも出演。現役のジャニーズ事務所に所属するタレントとしては初のブルーリボン賞受賞となった生田さんは「こんなすばらしい賞をいただけるとは思ってなかったので本当にうれしい」と満面の笑みを見せた。(毎日新聞デジタル)

 各賞受賞者・受賞作品は以下の通り。(敬称略)

 作品賞:告白(中島哲也監督)▽主演男優賞:妻夫木聡(悪人)▽主演女優賞:寺島しのぶ(キャタピラー)▽助演男優賞:石橋蓮司(今度は愛妻家/アウトレイジ)▽助演女優賞:木村佳乃(告白)▽新人賞:生田斗真(人間失格/ハナミズキ)▽同:桜庭ななみ(書道ガールズ!!/最後の忠臣蔵)▽監督賞:石井裕也(川の底からこんにちは)▽外国作品賞:第9地区(ニール・ブロムカンプ監督)

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