狂言師の野村萬斎さん(44)主演で9月公開予定の時代劇映画「のぼうの城」(犬童一心・樋口真嗣監督)に女優の鈴木保奈美さん(44)が出演することが17日、明らかになった。鈴木さんは00年公開の「いちげんさん」以来、11年ぶりの映画出演となる。鈴木さんは榮倉奈々さん(23)が演じる忍城の戦姫「甲斐姫」の母で、忍城当主・成田氏長の妻、珠(たま)を演じる。歴史上に名高い美女として知られる珠は、その美貌と勝ち気な性格で、無謀な戦いに挑む忍城軍の精神的支柱として、天下軍との戦いで重要な役割を果たし、娘の甲斐姫の生き方にも強い影響を及ぼした。
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鈴木さんは、原作の小説を偶然手にとって読んでおり、他の歴史小説とは一線を画したオリジナルな世界観に共感したことがきっかけで出演を快諾。女優復帰作となった放送中のNHK大河ドラマ「江(ごう)~姫たちの戦国」では、織田信長の妹「市」役で3人の娘とともに乱世に翻弄(ほんろう)されながらも強く生きる母親を演じているが、「のぼうの城」の舞台も同じ戦国時代で、生い立ちや境遇は異なるものの、同時代に生きた2人の“強い母”をどう演じ分けるのかにも注目が集まる。
昨年秋に行われた撮影では、まゆ毛を消した特殊メークにも初挑戦。女性の登場人物が少ない中で、美しく威厳のある役を圧倒的な存在感で演じ切ったという。犬童・樋口両監督は「『乱』(85年)の原田美枝子、『蜘蛛巣城』(57年)の山田五十鈴のように、現代とかけ離れた時代の女性をリアルに体現できる気品を持ち合わせている」と鈴木さんの演技を絶賛している。
鈴木さんは「原作の大ファンでしたので、映像の片隅にでも参加することができてうれしく思っています。壮大な水攻めシーン、賢くもしたたかな農民たちとユニークな武士の掛け合いといった、原作の魅力がどのように映像化されているのか、愛読者の一人として完成が本当に楽しみです」と出演を喜んでいる。
「のぼうの城」は、上下巻で累計117万部を突破する和田竜さんのベストセラー小説が原作。08年に「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で、グルメマンガ「美味しんぼ」の花咲アキラさん作画でマンガ化された。映画は、1590年の戦国時代末期、“でくの坊”を揶揄(やゆ)した「のぼう様」と呼ばれ、500人の軍を率いる戦国武将の成田長親(野村さん)が、豊臣秀吉(市村正親さん)の2万人の大軍に挑む……という物語。個性豊かなキャラクターによる人間ドラマと、城を丸ごと水に沈める“水攻め”戦術などの迫力の映像で日本映画の枠を超えた壮大なスケールの作品に仕上がっているという。
「忍城軍」は野村さん、榮倉さんのほか佐藤浩市さん、成宮寛貴さん、山口智充さんら、秀吉率いる「天下軍」は山田孝之さん、上地雄輔さん、平岳大さんらの出演がこれまでに発表されている。9月17日から全国東宝系で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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