話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、2人の女子中学生が妖精の力で変身、世界を守るために戦う「スイートプリキュア♪」です。朝日放送の松下洋幸「スイートプリキュア♪」プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

あなたにオススメ

“あの頃”のジャンプ：実写ドラマ化も話題「ウイングマン」　1983年を振り返る

　−−作品の概要と魅力は？

　「プリキュア」は2004年2月から始まりました。普通の少女が、ふとしたきっかけで、伝説の戦士「プリキュア」に変身し、世界を征服しようとたくらむ悪に立ち向かう、アクションファンタジーアニメです。

　これまで女の子向けの変身アニメといえば、「魔法使いサリー」「ひみつのアッコちゃん」のような魔法少女モノや、その後大ヒットした「美少女戦士セーラームーン」など数多くありましたが、「プリキュア」は「魔法」ではなく、「徒手空拳」で戦うヒロインです。女の子が必死になって、自らの拳で敢然と悪と戦っていくところは、他の女の子向けアニメにはないものだと思っています。

　また、「主人公が中学2年生」「華麗な変身シーン」「決めぜりふ」などの、子供たちがあこがれるような設定も、この作品の魅力と言えるでしょう。

　−−制作の経緯と、アニメ化するうえで心がけたことは？

　毎回、子供たちが興味を持つものをテーマにしています。一昨年の作品「フレッシュプリキュア！」では「ダンス」。昨年の「ハートキャッチプリキュア！」では「ファッション」。そして今回は「音楽」です。その中で「友達の大切さ」とか「夢を持とう」「あきらめないことの大切さ」という、不動のテーマを、主人公の心の成長とともに描いていこうと考えています。

　−−作品を作るうえでうれしいこと、逆に大変なことは？

　「スイートプリキュア♪」で「プリキュア」は8作目です。

　悩みを一言で言えば、「老舗の和菓子屋さんの8代目はこれから何をする？」ということでしょうか。昔から変わらない良さを残しながら、今の時代にあった新しさを加えていく。「プリキュアは変わらないから安心ね」という反応も欲しいですし、「プリキュアはやっぱり新しいことするね！」という反応も欲しいです。そのためには制作陣が100％力を出し切って悩み、考えることが必要で、それが一番大変なこと。その結果、求めていた反応が、見ていただけた方たちから返ってきたときが一番の喜びです。

　−−今後の展開、読者へ一言お願いします。

　シリーズも遂に8作目。今回は「友情」「音楽」をテーマにお送りしていきます。

　幸せな音楽の国メイジャーランドに伝わる「伝説の楽譜」をめぐる争いというお話を軸に、「音楽の楽しさ」「友情の力の素晴らしさ」というようなメッセージをお届けできればと思っています。そして、いつもケンカばかりしている主人公2人の成長とともに、「心の善悪とは？」というテーマを子供たちと一緒に考えていきたいと思います。

　「謎のプリキュアの登場」など、今までのプリキュアにはなかった仕掛けもドンドンしていきます。今までご覧いただいていた方々にも、これから初めてご覧いただく方にも、おもしろい作品になっています！

　朝日放送　東京支社コンテンツ事業部　「スイートプリキュア♪」プロデューサー　松下洋幸

　◇放送スケジュール

　ABC・テレビ朝日系で日曜午前8時半～。