マンガ新連載:「ボクマン」 “ブラよろ”の佐藤秀峰がマンガ家テーマに合作に挑戦

佐藤秀峰さんと一色登希彦さんとの合作マンガ「ボクマン」=双葉社提供
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佐藤秀峰さんと一色登希彦さんとの合作マンガ「ボクマン」=双葉社提供

 雑誌で連載が始まった注目作を取り上げる「マンガ新連載」。「ブラックジャックによろしく」の佐藤秀峰さんと「日本沈没」の一色登希彦さんの合作で、若きマンガ家の運命を描いた「ボクマン」の連載が、1日発売の「漫画アクション」(双葉社)6号で始まった。同編集部で賛否両論の末に連載が決まった作品だ。

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 ある老紳士が、マリアという人物と歩き、古いアパートの前で「これが僕の住んでいたアパートだよ」「ここで僕は漫画家を夢見ていたんだよ」と語る。そして、雑誌に作品の掲載が決まりかけていた若いマンガ家・五色のシーンへ飛ぶ。五色は、アシスタントを辞め、アパートへ引っ越して準備を整えた。そして編集部へ乗り込むのだが、編集者は連載を確約していない段階で突っ走る五色の前のめりな姿をみて戸惑う。前のめりな五色だが、編集者からの作品の見直し要求の多さに落胆し、「全部言われるがままに書き直したら俺の漫画じゃないじゃん」と考えるストーリーだ。

 ◇漫画アクション編集部 担当 渋谷祐介さん

 主人公はマンガ家、「ボクマン」というタイトル、そして、描き手は佐藤秀峰・一色登希彦。このことだけでも、みなさんさまざまなことを想像されるのではないかと思います。作者2人が、マンガ家といういわば自らの分身を通し、この世の中に何を提示しようとしているのか。紆余(うよ)曲折を経て掲載へと至ったこの第1話をお読みいただくと、感じ取っていただけるのではないかと思いますが、何より、合作という手間も苦労もかかる方法をあえて選んで描き上げた原稿を最初に見たとき、ベテランのような巧さと新人のようなフレッシュさが同居していることに驚き、鳥肌が立ちました。

 実のところ、編集部内でこのマンガに対して賛否両論がある中、編集長の悩んだ末の決断で連載が決まりました。ところがその後、打ち合わせやネーム、作画を進めるにつれ、2人の強烈な個性がぶつかり合い、内容や合作の方針について度々検討を重ねた末に、これまでの関係性が全て崩壊しそうな状況に一度陥ったときもありました。なんとしてもこのマンガを世に出したい!と思っていた私は、連載前だというのにこのまま終わってしまうのでは……と、悪夢を何度も見ましたが、なんとかここまでたどり着けたので、ひと安心という気分です。

 作品に関して、2人の間で、ほとんどケンカのようなやり取りが日々続いているので、今後の連載に一抹の不安がないことはないですが、内容的には作者の経験が十二分に生かされたストーリーなので面白くないわけがありません。マンガ家と編集者の緊張感あふれる真剣勝負のやり取りなど、この2人でなければ描けないシーンが登場し、担当である自分自身、早く続きを読みたいとワクワクドキドキしつつ、一体どこまで描いてしまうのだろうと若干ハラハラもしています。本当のマンガ家の世界をのぞきたい方、ぜひご一読ください!!

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