1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、幽霊の「トイレの花子さん」が、スマートフォン片手にさまざまな人の悩みを解決していくという施川ユウキさん原作、秋★枝さん作画のマンガ「ハナコ@ラバトリー」(ジャイブ)です。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
学校のトイレ(ラバトリー)の中でスマートフォンを触る少女。窓にスマフォを向け撮影すると突然落下する女子生徒の姿が……。飛び降り自殺をした生徒は霊となって浮かび、トイレにいた少女・花子さんに話しかける。トイレにとらわれている花子さんは、いろいろなトイレ(場所)に出没しながら、さまざまな人や動物、霊の悩みを解決していくストーリーだ。
「サナギさん」「森のテグー」など、言葉にこだわったギャグマンガ家として名をはせる施川ユウキさんと、「純真ミラクル100%」「煩悩寺」など、読むだけでキュンキュンニヤニヤしてしまう恋愛模様を描く秋★枝さん。そんなお二人が組んで生まれたこの「ハナコ@ラバトリー」は、お互いの本気をぶつけ合うことで、お互いの魅力がさらに引き出されるという、実に幸せな作品となりました。
施川さんと編集部の打ち合せ▽施川さんの原作ネーム完成▽それを基に秋★枝さんのネーム完成▽3者によるネームの最終チェック▽秋★枝さんによる作画。
以上のような過程で、施川さんが描いた原作ネームから秋★枝さんのマンガ原稿へと物語が深化していく様は、コラボならではの醍醐味(だいごみ)といえます。
二重三重に読者をあざむくストーリーや、可愛らしさの中にも凛(りん)とした表情を見せるキャラクターなど、2人のファンはもちろん、純粋に面白いマンガを読みたい全マンガファンに自信を持って薦めることのできる作品です。
書店員の推薦文 鹿児島・ひょうたん書店の筒口征洋さん 「秋★枝キャラと軽妙な会話劇がガッチリ」
どんな作品になるかとドキドキしていましたが、2人の持っている個性がここまでがっちりかみ合い、しっかり発揮されているとは驚きでした。施川ユウキ先生のナンセンスで軽妙な会話劇が、秋★枝先生の手によりキャラへの愛着や感傷的な余韻も与えてくれる作品へと化学変化を起こしています。コメディーとして、ハナコさんをはじめとする秋★枝キャラを追うだけでも楽しいのに、驚きや発見のあるドラマにハッとさせられるのがたまりません。ずっと2人のファンをやってきて良かった~。
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