アキバ中古ゲーム市況：3DS本体好調もソフトは……　「アイマス2」予想外の人気

　東京・秋葉原などで中古ゲームやDVDを販売する「TRADER（トレーダー）」の家庭用ゲーム部門責任者を務める小林俊一さん。1日のうちに価格がめまぐるしく変動する激戦区を見つめる小林さんに、2月24日～3月2日の集計を基に、中古市場の今を語ってもらいます。

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　話題の携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」（任天堂）がついに発売されました。26日の発売日は、予約分の引き取りに加え、当日販売分を求めるお客さんもアキバにつめかけ、多くの店舗で絶えずレジが埋まっているほどの盛況ぶりでした。翌日以降も追加入荷分や予約キャンセル分の販売が続き、こまめに通っていれば購入できたのでは。今後も毎週入荷があるようですから、むしろPSP本体の品不足の方が深刻ですね。一部店舗で一瞬だけ3万円を超えるプレミア価格で販売されていましたが、今はそういうこともなく2万5000円強が相場といったところです。

　ただし、ソフトの方はやや厳しい立ち上がりか。本体に対するソフトの本数が1本を切っており、本体だけ購入したお客さんが多かったことをうかがわせます。これまでと異なり、テレビCMでもゲームの魅力を伝え切れていない気がします。特に「リッジレーサー3D」（バンダイナムコゲームス）あたりが損をしている印象。実際に手にとって遊ばなければ分からないので、宣伝の仕方を考え直す必要があるでしょう。盛り上がっているうちに、任天堂の強力なタイトルの投入を期待したいところですが、逆にサードバーティーは苦労するかもしれませんね。

　ソフト市場全体では、「SDガンダムGジェネレーションワールド」（PSP・Wii、バンダイナムコゲームス）のPSP版がすさまじい売れ行きでした。特製DVDが付いた限定版はあっという間に完売し、通常版まで売り切れた店舗もあったほど。ただし、Wii版の方はあまり動かなかったようです。「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」（PSP、セガ）は売れたのですが、買い取りも多かった印象。ヒット作「モンスターハンターポータブル3rd」（カプコン）から約3カ月と発売のタイミングもぴったりで、かなり新要素も盛り込まれているだけに、もっと売れてもいいはずなのですが……。意外だったのが「魔界戦記ディスガイア4」（PS3、日本一ソフトウェア）。当初は懸念していたのですが限定版もあっという間に売り切れるなどかなり盛り上がったようです。アクションゲームの多かったPS3で久々のシミュレーションRPGということも売り上げに貢献したかもしれませんね。ネットで物議をかもした「アイドルマスター2」（Xbox360、バンダイナムコゲームス）ですが、思ったよりも売れており、オリジナル特典目当てで1人で10本買い取りに来るお客さんもいるなど、まだまだ熱心なユーザーがいるんだなと再確認させられました。ただし、今後の上積みはなさそうです。

　中古市場は「モンスターハンターポータブル 3rd」を筆頭に定番タイトルが上位を占めました。「ガンダム無双3」（PS3、バンダイナムコゲームス）は価格が手ごろになったこともあって3位に浮上していますね。

　今週はちょっと一休みといったところ。ファイナルファンタジーシリーズの人気キャラクターが勢ぞろいした「ディシディア　デュオデシム　ファイナルファンタジー」（PSP、スクウェア・エニックス）あたりが人気を集めそう。特にオリジナルデザインのPSP本体がセットになった限定版は、昨今のPSP本体の品薄状態もあって争奪戦になるでしょう。その他のタイトルでは「侍道4」（PS3、スパイク）あたりも注目を集めそうです。

　◇中古ランキングは次の通り（2月24日～3月2日・トレーダー調べ）

1位　モンスターハンターポータブル 3rd（PSP）

2位　キャサリン（PS3）

3位　ガンダム無双3（PS3）

4位　ファンタシースターポータブル2インフィニティ（PSP）

5位　戦国無双3 Z（PS3）

6位　ザ・サード　バースデイ（PSP）

7位　俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル（PSP）

8位　逆転検事2（DS）

9位　テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー3（PSP）

10位　アイドルマスター2（Xbox360）

　◇プロフィル

　小林俊一（こばやし・しゅんいち）　中古ゲームショップ「トレーダー」家庭用ゲーム部門責任者

　中古専門店「トレーダー」設立時からの古参社員で、秋葉原・新宿店の家庭用ゲームすべての価格設定などを担当。ゲームの販売・仕入れ・卸などゲーム流通業界一筋で、趣味と経験を生かして、オールドゲームから海外ゲームまで精通している。